片思いの君はあの子のトリコ【呪術廻戦】

片思い14 ページ14

『悟、話があるんだけど』



「ん、ああ」





色々考えて一週間、私は告白してきっぱりさっぱりフラれようという決断に至った。





…この仲がギクシャクするかもしれない。それは、怖い。





でも『もう好きじゃないよ』と笑顔で言えるようになりたい。それじゃなきゃ、きっと私は叶わなかった恋心を引きずったまま大人になってしまう。




私は夜蛾先生に呼び出されたというていで悟と空き教室に入る。





「何だよ、夜蛾センいねーじゃねぇか」




『じゃ、それまで雑談でもしてようよ』




「んだな」





そこからはただ、たわいのない話をする。任務であったこととか、ゲームのコツとか。





相手が悟だから、こんなに話すのが楽しいのかなぁ…。やっぱり、恋心って凄いね。





少しほど話し終え、私は遂に告白を切り出す。





震えそうになる足を隠して、不安で崩れそうになる笑顔を整え、服の袖をギュッと握る。そして深呼吸を一度し、口を開いた。






『悟。突然だけど、私＿＿』





「いやぁああ！？」





突然、校舎内に悲鳴が響く。
その声は一葉のものに似ており、教室を出た時彼女は珍しくいなかった。




呆然とする私に対して悟は、まさかという表情を浮かべ、我一番にと空き教室を出た。





そして私もハッとして教室の外を見る。すると、そこには階段の前で倒れ込んだ一葉とそんな彼女を抱える悟。そしてその後に任務終わりらしき傑と硝子もやってきた。






…私より、やっぱり一葉の方が大事なんだ。





ドロリ





と醜い感情が心の中に渦巻く。






そりゃあ私の告白より、一葉の身の安全が大事だろうし。何より命の方が大事だし。





でもさ一言くらい声かけても、よかったんじゃない？





「悪りぃ」とか急いでても言ってくれればよかったのに。









……きっと一葉なら言ってたよね。










ここにいたのが私だから、同級生で友達の私だから。






同級生で友達で、大好きな一葉だったら、きっと違った。








きっと、そう。これは“私”だから。













＿＿一葉は、いいな












嫉妬と嫌悪が、心に渦巻く。

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