片思い13 ページ13
「悟。これ」
「お、おう…」
『……』
それから一週間後の教室にて。悟と一葉がプリントを渡し合っていた時、手が触れたようで互いに気まずそうに頬を染めていた。
“んなっ!悟!?”
“おまっ、何で俺の上乗ってんだよ…!!”
重なり合って寝ていた時も一悶着あり、互いの相手への意識が強まったようだ。
それは一週間経った今でも続いており、あそこだけ少女漫画の世界かよ…と思うくらい甘い空気をこの呪術高専で漂わせている。
「…悟」
「なんだよ?」
「何でもない」
「は?」
「……っちょっとこうしてたい」
「え、あ、おう…」
……なんか、泣きたくなってくる。本当に付き合ってないの??
なぜか一葉、あの時から悟へのスキンシップが増えたのだ。しかもそれは教室で行われるから、声は聞こえてくるし、たまに視界にも入ってくるし。
しかし席順は、廊下側から一葉、悟、傑、私、硝子という感じなので、傑がいると壁になって助かるのだけれど、あいにく今日は上層部の嫌がらせで朝から任務があるらしくいない。
はぁとため息をついていると、隣に座る硝子が私を一瞥する。
「Aさ、本当にいいの?」
『いや……って、なんで今その話するの…!?』
「あいつらは聞いてないよ。で、本当にいいの?」
『…………敵うわけないよ、一葉に。見てたらわかるでしょ?もう両片思いじゃん。どっちかが告ったら終わりなんだよ』
「…じゃあ告ったらどうだ?」
『話聞いてた??』
「聞いてたよ。…そんなに悩んでるなら、さっさと告って五条を好きだったことなんて忘れればいいだろ」
『……忘れられるかな』
案外、私は拗れている。
この心が糸だとしたら、こんがらがっていて何時間かけても解けないほどにだ。本当に、呆れちゃうね。だから、簡単に忘れられるとは思わない。
「忘れる為に告るんだろ。さっさと恋心とおさらばしちゃいな」
硝子は言いたいことを言った後、タバコを吸う為か外へ出た。
『……おさらば、か…』
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AО777 - しろりんさん» 数字の振り間違いご指摘ありがとうございました。助かりました…! (1月16日 22時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - AО777さん» 20話が抜けてます。 (1月15日 17時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
AО777 - 琥珀さん» コメントありがとうございます!オチについてですが、現在未定といったところです。思い悩んでいるところですね。はっきりお答えできず申し訳ありません。そして、応援していただけているとのこと、とっても嬉しいです!励みになります…! (12月26日 10時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - コメント失礼します!答えにくい物でしたら濁して頂いて構いません🙇️質問なのですが、オチは五条さん、夏油さんどちらのご予定ですか…?作者様の書く世界観が大好きなので、どちらでもちゃんと追って読みます☺️これからも応援しています! (12月26日 8時) (レス) @page19 id: 2c6daaf2a5 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - LuNaさん» うおぉぉ…そう言っていただけて死にそうです…(泣)性癖に刺さっていただけるとは…。コメントありがとうございます! (12月7日 5時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月25日 21時