夏のおさそい に ページ49
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「急に呼び出されたから何かと思えば……」
「うう……申し訳ない。でも真剣に困っておりまして……」
ダイアゴン横丁で待ち合わせしたハッフルパフの友達に私は謝り倒しながら、マルフォイくんにクィディッチ・ワールドカップの観戦に誘ってもらったものの、何を着ていけばいいか分からないことを説明した。
「あれ、前に私たちがあげた本は？」
「本って……あっ、これのこと？」
たまたまトランクに入れっぱなしにしていた赤い本を取り出して、そういえば題名も確認していなかったなんて思いながら表紙を目で追った。
「えー……『恋する魔女のファッション大全』……？」
派手なフォントで銘打たれたタイトルに首を傾げると、二人はにやにやと笑いながら「今のAにぴったりでしょ？」と言って私から本を取り上げる。
「ほら、貸して」
「えっ、あの、恋する魔女って？」
「えーっと……クィディッチ観戦デートには……」
私が戸惑っている間に、二人とも勝手にページを開いて読み始める。なるほどね！と二人で納得しているけれど、全然意味がわからない。
「カジュアルで動きやすい服かつ可愛らしいものを選びましょう、だって」
「こういうのがいいんじゃない？」
「そもそもデートじゃないよっ」なんて反論も虚しく、ショーウィンドウに飾られたシンプルなワンピースを指さされて、私は焦ってガラスに映る自分とその服を見比べた。
「えっ」
「に、似合うかなあ……？」
「大丈夫だよ」
「Aはマルフォイにかわいいと思ってもらいたくないの？」
「う……」
そんなことを言われたら何も言えなくなってしまう。あのマルフォイくんが素直に褒めてくれるとは思えないけど、やっぱり少しでも可愛いと思われたいのは本当で。
「それは……あの……」
「買うの？」
「買わないの？」
「……買います」
ずいっと顔を覗き込んでくる二人に、私はついに白旗を上げた。
結局押し切られる形でその服を購入した私は、それからしばらくお小遣いで買えるようなアクセサリーを探したり、化粧の仕方を教えてもらったりと、二人の着せ替え人形になった。
しかしそれもようやく終わりを迎え、「じゃあ楽しんできて！」と手を振って去っていく後ろ姿にぺこぺこと頭を下げて、私も近くの宿に帰る。
そしていよいよ明日から始まるワールドカップのこと、一緒に行くマルフォイくんのことを考えてどきどきしながら眠りについた。
「(かわいい、かぁ……)」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
