同盟 さん ページ47
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「わぁっ！？」
突然頭上から降ってきた冷たい声に飛び上がる。恐る恐る振り返ると、そこには予想通りの不機嫌なマルフォイくんの顔があった。
「あの、僕もう行くね」
「待てポッター！なんでこいつと話して——」
「はわわわわ」
急いでその場を立ち去るポッターくん(最後に手を振ってくれた)を追いかけようとするマルフォイくんのローブを慌てて掴む。
「ま、マルフォイくん落ち着いて……」
「なんだ？君も有名人のハリー・ポッターのファンってわけか？」
「握手までしてもらって満足かい？」
「ポッターくんはただの友達！」
私は首を振って、すぐ早とちりをするマルフォイくんに頬を膨らませた。なんでこう、きみは最後まで人の言うことを聞いてくれないんでしょうか。
「それに、どっちかって言ったら私はマルフォイくんのファンだよ」
それまで忌々しげにポッターくんが去った方向を見つめていたマルフォイくんが、低い声で「……は？」と私を振り返った。
「見て！これスリザリンの子からもらったんだ」
私はにこにこと笑って、ポケットから取り出した何枚かの写真を彼に見せた。
「これは……クィディッチの……？」
「うん！マルフォイくんが練習してるときのやつ」
「かっこよかったから」
スニッチを捕まえて喜んでいるとき、ブラッジャーを間一髪で避けたとき、箒から華麗に降りたとき。練習の合間に撮られた写真には、どれも試合中とはまた違う表情をした彼が写っていた。
「……僕は撮影を許可してない。返せ」
マルフォイくんは顔をしかめて(でもちょっと恥ずかしそうに視線を逸らして)、私から写真を取り上げようと手を伸ばす。
「やーだ」
「私、マルフォイくんのファン第一号だもん」
へらりと笑う私に、マルフォイくんは「君みたいなのはごめんだ」とため息をついた。
「それに、仮にも僕のファンならその呼び方を改めたらどうだい？名前すら知らないなんてありえないだろう」
「へっ……」
「なんだ、呼べないのか？」
「え、あ……その……」
じりじりと迫ってくるマルフォイくんに、気恥ずかしさが限界を迎えそうになった私は「いいい、いつかね！」と叫んでその場を逃げ出した。
「あっおい、逃げるな！」
「やーだ！」
彼を下の名前で呼ぶその「いつか」を想像しながら全力疾走するうちに、私はだんだんと自分の顔が熱くなるのを感じて頬をおさえる。
この気持ちの正体を知るのは、まだ少し先の話。
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
