ぎもん に ページ39
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「ああ、ウン、ちょっぴりね」
どこかに行こうとするたびに足を引っ掛けようとするのはどう考えても「ちょっぴり」ではない。私は首を捻りながら、「うーん、ポッターくんにこんなこと言ったら気を悪くかもしれないけど……」と慎重に言葉を選んで口を開いた。
「マルフォイくんはちょっと意地悪で頭が硬いけど……悪い人じゃないんだ」
「でも、だからってポッターくんがマルフォイくんに気を使う必要はないからね！」
私はマルフォイくんの優しいところも素敵なところもたくさん知っていて、でもそれがみんなに伝わっているか、彼がまるごと全部そういう人なのかと言われればそうではない。
過去の事件に振り回されず、自分を突き通すポッターくんだって、私は尊敬しているのだった。
「きみはきみらしく、全力でぶつかって大丈夫だよ」
私がぎゅっと両手をにぎりしめてそう言うと、ポッターくんはにこりと笑った。
「君ってやっぱり良い人だ」
「えへへ……」
二回目は流石にそこまで照れはしなかったけれど、普段は「馬鹿」だの「あほ」しか言われないのでちょっと嬉しくはある。急いで自分の席に帰ろうとしていたことも忘れて、それからしばらくポッターくんと雑談していると、ふいにポッターくんは首を傾げた。
「Aは……その、マルフォイのガールフレンドだよね？」
「！？ちがっ、え、全然違うよ！？」
と、いきなりの爆弾発言に私は抱えた本を落とす勢いでぶんぶんと首を振って否定した。マルフォイくんのガールフレンドなんて恐れ多いにもほどがある。
スリザリンには私みたいな純血の子だっているし、家がすごいお金もちっていうわけでもないし、もうマルフォイくんと私が天秤に乗ったら彼の価値の重みで私は宇宙の彼方まで吹っ飛んでしまうことだろう。
「ご、ごめん。僕そこまで変なことを——」
困惑しているポッターくんの言葉を手で制して(これ以上爆弾発言をされたらきっと身が持たない)、私は口元を押さえてマルフォイくんと自分の関係性を自問自答してみる。
「マルフォイくんとは……その……」
私は彼を大事な人だと思っているけれど、逆はわからない。優しいけど大体は意地悪だし、酷いことばっかり言うし、すぐ不機嫌になるし。
それに、彼にとって私はどんな人かなんて、答えを聞くのがこわい。私はポッターくんの質問に答えるのと同時に、自分に言い聞かせるみたいに言った。
「ただの友達、だよ」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
