ぎもん ページ38
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イースター休暇中のある日。「休み」とは思えないほどに課されている宿題の山を抱えて、私は一人図書館に来ていた。
薬草学のレポートに役立ちそうな本を探していると、ふと棚の影からふわふわの黒髪が見えて顔を上げる。
「あ、ポッターくん！久しぶり！」
「う、うん。君も……元気そうでよかった」
ポッターくんは少し驚いたような表情をして、でもすぐに柔らかい笑みを浮かべた。私は棚から本を取り出して胸に抱えながら、彼を見上げて笑った。
「ポッターくんこそ、賢者の石とか、秘密の部屋とかもいろいろ解決してくれて……」
「ずっとありがとうって言おうと思ってたんだ」
そう。マルフォイくんと一緒に行動しているとなかなかポッターくんと(穏やかに)話す機会がなくて、きちんとお礼を言えていなかったのだ。「大したことはしてないよ」とポッターくんは謙遜するけれど、クィレル先生と戦ったり、蛇の怪物を倒したりなんてとても勇敢な人にしかできないことだと思う。
私がそのことを伝えると、ポッターくんは照れたように「ありがとう」と笑って、図書館の端に集まっているグリフィンドール生をちらりと横目で見た。
「ごめん、邪魔しちゃったかな」
「来週試合だよね、がんばってね！」
グリフィンドールが今年こそ優勝杯を狙って、現一位のスリザリンと火花を散らしあっているのは噂でも聞いていた。
宿題をこなしたり、練習をしたり、睡眠を取ったり、やることはたくさんあるだろうからこんなところで引き止めていてはきっと迷惑だろう。
「うん……でも、いいの？」
「？」
ポッターくんの横を通り過ぎて自分の席に戻ろうとした時、ポッターくんがおずおずと私に聞いてきた。
「ほら……君はマルフォイ……つまりスリザリンのチームを応援した方がいいんじゃないかなって」
「あはは」
「私、どっちでもいいんだ。スリザリンが勝っても負けても」
なんだか初めて会った時の会話に似ている気がして、笑いながら「真剣にがんばってるみんなが見れるのが一番嬉しいもん」と言えば、ポッターくんも「そっか」と笑みを返してくれた。
その優しさに思わず申し訳なくなって、私は手を合わせて「いつもマルフォイくんが失礼なことしてごめんね」と謝った。
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
