おでかけ に ページ37
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ハッフルパフ寮の友達とも遊ぶためにいったんマルフォイくんと別行動をしてしばらく経った頃。『三本の箒』でバタービールを注文した私は、お店の外側でコートを真っ白にしている彼を見つけて目を丸くした。
「わぁ……雪合戦でもしてきたの？」
「違う」
「スキー板を無くしちゃったとか？」
「違う！」
何があったのか分からないけれど、マルフォイくんはなぜかものすごーく不機嫌で、コートについた雪を叩くようにしてはらっていた。
「ごめんって」
「大丈夫？寒くない？」
マルフォイくんの顔を覗き込むとその長いまつ毛(多分負けている気がする)にも雪がついているのが分かって、ひどく冷たそうに見えた。
「あ、」
ふと私は自分が手に持っていたバタービールの存在に気づいた。透明なグラスに入った黄金色の液体はじんわりと熱を発していて、冬にぴったりの飲み物だ。(もちろん冷たいのもちゃんとおいしい)
「これあげる！ さっき買ったやつだからまだあったかいよ」
「……」
マルフォイくんは嫌そうな顔をして、でもさすがに冷たい雪にうんざりしていたのか、大人しく私からバタービールを受け取って飲み始めた。
「おいしい？」
「まずい」
「ちゃんと全部飲んでるじゃん」
「うるさい」
降り積もる雪を眺めながら他愛もない会話をしていると、普段よりずっとゆっくり時間が流れていくような気がした。グラスをお店に返したあと、私とマルフォイくんは隣に並んで学校への帰り道を歩き出した。
「えへへ、」
「なんだよ」
「なんかデートみたいだね」
「はっ？」
「ふふ、」
驚いたように立ち止まったマルフォイくんにくすりと笑って、私は彼の一歩前に出た。誰もいない雪景色の中を歩いていると、きみと世界に二人きりみたいに思えて。
「手繋ぐ？」
「……何言って……」
「冗談！」
普段ならきっと言わない半分本気の悪ふざけも、ちょっと試したくなってしまっても仕方ないというものだ。
「どきどきした？」
「してない」
「ふふふふ。顔が赤いよマルフォイくん」
「寒いからだ馬鹿」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
