おでかけ ページ36
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ふわふわとした粉雪が空を舞うある冬の日。私はマルフォイくんの手を引きながら、前方に見えた緑色のドアのお菓子屋さん、『ハニーデュークス』を指さした。
「マルフォイくん次あそこ行こう！」
ホグワーツでは三年生になると、許可証にサインをもらえば、週末とかにこのホグズミード村——イギリスで唯一の魔法使いだけが住んでいる街に来ることができるわけで。
マルフォイくんをあっちにこっちに連れ回してご機嫌な私に、彼はげんなりしたような表情を浮かべている。
「……なんでいつもこうなんだ……」
苛々しながらお店のドアを開けてくれるマルフォイくん。
でも、目の前に並んだよりどりみどりのお菓子たちの前ではきっとその怒りも皮肉もどこかにいってしまったことだろう。
「わー！ おいしそう！」
レモンキャンデー、蛙チョコレート、百味ビーンズなどの見知った商品から、爆発ボンボン、黒胡椒キャンディ、綿あめ羽根ペンなどなど見たこともないようなものまで沢山並んでいる。
「うう……全部食べたい……」
今日はお小遣いをわりと持ってきたはずだったけど、さっきまでのお買い物でかなりお財布が軽くなっていた。
「マルフォイくんはチョコレートとキャンディだったらどっちが好き？」
「……チョコレート」
「じゃあこっちにする！」
「えへへ、半分こして食べようよ」
「……」
にこにこしながらチョコレートを手に取ると、マルフォイくんはそれをぱっと取り上げて、「君に奢ってもらうほど僕の家は落ちぶれてない」と冷たく言った。
「だ、だめだよ！ ちゃんと自分で買うよ……！」
「うるさい」
どうやらマルフォイくんがお金を払ってくれようとしていることに気がついた私は慌てて首を振るものの、彼は無視してチョコレート以外のお菓子もぽんぽんとカゴにいれていく。
「これ全部ください」
「ひぇぇ…………」
どん、と音を立ててレジのテーブルにカゴを置くマルフォイくん。積み上げられたお菓子たちを見て、情けない声をあげる私。
「ほら、」
「むぐっ」
お店を出た後も申し訳なさのあまりに縮こまっていると、彼は蜂蜜色のキャンディを私の口に突っ込んで楽しそうに笑った。
「どうだ？ 君には買えなかった味だろう？」
「むぅ……おいしいけどくやしい……」
「なんだ、じゃあいらないのか」
「いえありがたくいただきます」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
