少しずつ ページ31
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「秘密の部屋」が開かれてから約数ヶ月、ある日ポッターくんとその友達のウィーズリーくんが部屋の中にいた怪物を倒したと聞いて私はほっと息をついた。
「……よかったあ…………！」
「何だ、つまらないな」
「こら」
「ふん」
不満げに鼻を鳴らすと、マルフォイくんはそっぽを向いてしまった。
マルフォイくんは私が純血じゃない魔法使いとも普通に仲良くしていることが不満らしいけど、だからってこんなふうに他の子を悪く言うのはよくないと思う。
「またあのけ…………マグル生まれの連中と仲良しこよしな学校生活に逆戻りだ」
「け？」
そっけなく「何でもない」と言って頬杖をついた彼に私は「はいはい、そんなにぶすっとした顔しない」とそのほっぺを引っ張った。
「せっかくのかっこいい顔が台無しじゃんか」
「おい、」
相変わらずの顰めっ面をむりやり崩して、私は「ほら」と笑った。
「やっぱり笑ってる方がいいよ、マルフォイくんも」
「……」
お祝いのパーティーが開かれた賑やかな大広間の一角で、一瞬、世界に二人きりみたいな優しい静寂が落ちた。
マルフォイくんは少したじろいで、でもすぐに私の頬を掴み返して「逆に君は少しくらい真面目な顔を覚えた方がいいな」と意地悪く言う。
「その間抜け面のせいで退学にならないように」
「学校がそんな表情筋に対して厳しいことある？」
力任せに引っ張られて少し赤くなった頬をさすりながら、「でも難しいよ〜……」とぼやいた。
「だってきみと話すの楽しいんだもん」
「……」
誰がなんと言おうと(そしてきみがどんなに複雑そうな顔をしていようが)、私はマルフォイくんと話すのが好きなのだから仕方がない。
私は勝手に「うんうん」と頷きながら、そろそろお腹が本格的に空いてきたので、目の前のごちそうたちを食べようとフォークを伸ばした。
「そうだ、夏休みに手紙書いてもいい？」
「僕が返事を出すと思うか？」
「返事が来なかったら直接行っちゃうもん」
「…………くだらないことは書くなよ」
「！わーい！」
「はあ……最悪な夏になりそうだ」
マルフォイくんは呆れ果てたように深いため息をついたけれど、とにかく夏休みが楽しみになった私はご機嫌に笑った。
きみと出会った一年生、ちょっとずつ仲良くなれた二年生、そして来年はまたどんな一年になるだろうか。
「えへへ、来年もよろしくおねがいします」
「……やっぱり転校してくれ」
「！？」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
