きみのこえ に ページ21
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それからマルフォイくんにたっぷりと怒られてしゅんとしていると、後ろからやってきたゴイルくんが困ったような声でマルフォイくんの名前を呼んだ。
「おいマルフォイ、ちょっと手伝ってくれないか」
まだ空っぽの鉢と片手に持ったマンドレイクを見る限り、どうやら鉢植えがうまくいってないらしい。隣で作業をしているマルフォイくんを横目で見ると、まるで声が聞こえていないかのようにもくもくと土を苗に被せて続けている。
「……」
「？」
「マルフォイくん、ゴイルくんが呼んでるよ」と肩を叩くと、彼はようやく後ろを振り返って「ああ、気がつかなかった」と肩をすくめた。
「どうした？」
「何回やっても土から苗が出てくるんだよ……」
泥だらけになって落ち込むゴイルくんに、マルフォイくんは手際よく(かと言って別に優しいわけではない)、マンドレイクを土に突っ込むと勢いよく堆肥を被せ、次の手順を説明してあげていた。
冷たいように見えてスリザリンの子達には基本的に優しいし面倒見がいいんだよなあ……、とその様子を眺めていると、しばらくしてマルフォイくんが戻ってきて隣にしゃがみ込んだ。
「はあ…………。あいつ、今年こそ薬草学で落第するんじゃないだろうな」
疑わしげにゴイルくんを見やるマルフォイくんに、私はにやにやとした笑みを浮かべながら彼の顔を覗き込んだ。そう、私はあることに気がついてしまったのだ。それも特別嬉しいことに。
「……ふふ、私これからもっとマルフォイくんに話しかけるね」
「は？」
「だって耳あてしてたのに、私の声はちゃんと聞こえてたみたいだから」
「…………」
後ろでゴイルくんが助けを求めた声には気が付かなかったのに、私のこそこそ話はばっちり全部聞こえているなんて、ちょっぴりでも期待しない方が変というものだ。
「ね、マルフォイくん？」
私の言葉を聞いてぴたりと動きを止めたマルフォイくんの顔を見ると、彼はさっさと私をスルーしてスプラウト先生に報告をしに行ってしまった。
「あれ？」
「先生、鉢植えが終わりました」
「これもしかして無視されてる？」
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ねこ(プロフ) - この出会いにありがとう さん の花言葉の意味がとっても素敵で相手のことをとっても大切に思っているのが伝わってほっこりしました(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ (11月20日 0時) (
レス) @page44 id: 2eaa5d84c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ぽんずさん» コメントありがとうございます！素晴らしい賞を頂けて嬉しいです…！笑 ぽんず様こそお身体に気をつけて、これからも更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月17日 22時) (レス) id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 初めまして！このお話の更新が出てるととっても嬉しくて毎話キュンキュンしてます！ホグワーツでこれがやりたかった夢大賞No.1ですありがとうございます！！！ご自愛ください！ (2023年3月17日 21時) (レス) @page46 id: 7bdddba4b2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 雨中と猫。さん» ありがとうこざいます！ほのぼの柔らかい雰囲気を目指して書いていたのでそう言っていただけてとっても嬉しいです…！遅筆ですが更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。 (2023年3月2日 21時) (レス) @page8 id: be1363d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 本当に今さっき作品を見つけて読まさせて頂きました新参者です……！マルフォイくんとの緩やかでほのぼのとしていながら心があったかくなるお話がめちゃくちゃ可愛くて素敵です！続き楽しみにしております、お身体壊さない様更新頑張ってくださいー！！ (2023年3月2日 21時) (レス) @page23 id: d60c007837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2023年2月26日 0時
