ダイヤのA 来年も再来年の春も君と迎えたい 小湊亮介

愛 俺の妻 ページ49

『アナタと私が結婚していて、あの子ともう2人子どもがいると…？』



亮「ああ。白頭のやつは、成宮鳴、君の弟」



『…私、記憶を失ってるんですよね。お医者さまから聞きました。どんなに辛くてもなにかあっても私は記憶を取り戻したい。…亮介さん、私の記憶を一緒に取り戻してくれませんか？』




"亮介さん"その言葉がとても冷たく感じた。


亮「いいよ」



『ほんとですか！？「ただし」』



亮「俺の事はりょーちゃんって呼ぶ事、敬語は使わない事」



『でも…』



亮「言っただろう？君は俺の妻。お嫁さん。記憶を取り戻すならまずはカタチからってことだよ」


『わかったよ、りょーちゃん！』


亮「！」






りょーちゃんという単語もとても懐かしかった









青道野球部グランド





『ここが…私の通ってた学校…野球部…』



亮「そーゆうこと」




「ナイスショートっ！」




『「そのままセカンドへ！！」』




俺たち２人の言葉が初めて揃った




亮「やっぱり、お前はお前なんだな、A」




『えっと、どうゆう意味…？？』



野球にひたすらに貪欲




野球が絡むとよりきれる頭脳



冴え渡る六感






亮「尊敬する」





『そ、そんな事ない…よ！…ただ、好きなだけだよ』









あれ？









『私、野球好きだったの？？』






亮「！」





あれ？







『…好きだったんだ…野球』









そっか、私は野球が好きな女の子だったんだ。







亮「ああ、俺にも負けないくらい好きだったよ」





ムッ




『その言い方だと、りょ、りょーちゃんが上みたいで嫌だ！私の方が好きだったに決まってる！』




．




『りょーちゃんより私の方が好きだからね！りょーちゃんの事っ！』ﾆｼｼ




．






Aのしぐさ一つ一つが俺の中のAを思い出させる





亮「俺の方が上だね」



『絶対絶対私の方が上！』









．





少しだけ、いたずらっ子のAが見えた気がした

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