彼は執事

4 ページ4

.




病室へ入ると若い綺麗な顔をした男の人がこちらを見ていた



同い年くらいかな？





『 あの、先ほどは助けていただきありがとうございました。そして本当にすみませんでした。慰謝料はしっかりお支払いします。すみませんでした。 』


頭を下げて謝る



「 …あなたが悪いわけじゃないですよ。ぶつかってきた自転車の人が悪いんだし、謝らないでください。ケガがなくてよかったです 」



そう言って笑いかけてくれる



え、なにこの人超いい人！



『 これ役に立たないかもしれないんですけど、入院されると聞いたので少し日用品とか食べもの買ってきました。よかったらどうぞ 』



「 ありがとうございます、いただきますね 」



『 あと慰謝料なんですが… 』



「 慰謝料はいらないです。あいにくお金に不自由はしていないので、本当にお気になさらないでください。お気持ちだけで充分です 」



『 いや、でもっ 』



「 本当に大丈夫です、ありがとうございます 」



そう言った彼の目は少し力が入っていて

この話はもう終わりにしたほうがいい、そう直感した





.

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す