彼女はロックを聴かない

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風「最近超人気出ててさ。これ歌詞よくね？」




『あ、歌詞聞いてなかった』




風「は？はいじゃあもう一回〜(笑)」






再びイヤホンを押し付けると今度は笑いながらすんなり受け取ってくれる








２回目を聴き終わるとイヤホンを外して今度はキミから話し始める




『なんかすごい、すごい歌詞だね』




でもやっぱり感想は すごい しかない







風「さっきからすごいしか言ってねーし(笑)」




『あ…(笑)なんかほら、歌詞が代弁してくれてるっていうか、共感できるっていうか』






え、マジで？



共感できんの？






風「好きなやついんの？」




焦って口から出てしまった言葉




『ううん。いないけど、恋愛中に聴くと共感できそうだなって』




あっぶねぇ…と安心したと同時に ということは俺はまだまだスタート地点ってことか、と冷静になる







風「もう超沁みんのよ、歌詞が」




『菊池くんは恋愛中なんだね』




風「まーね」




『彼女さん？』






キミからの初めての質問に胸が高鳴ったのは一瞬で



彼女持ちって思われてんのかよって気分はだだ下がり









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