彼女はロックを聴かない

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お願い！どうか俺のためにも！と顔の前でお願いポーズをしているそいつの頭を隣から叩く







風「バッカ、お前の事情に巻き込むんじゃねーよっ」




「だってそうでもしないと風磨と佐々木の関わりが増えちゃうじゃん」




風「増えたところで関係ねぇじゃん」




「あるよ！風磨に本気出されたら勝ち目ねーじゃん…」





あ〜、と再び机に崩れ落ちたそいつはしばらく起き上がってこなくて







風「ごめん、今の気にしなくていいから」




『あ、うん…』




そう言ってカバンを机にかけるとそそくさと友達の方へ向かったキミ






その背中を見つめていると





「…分かっちゃった、風磨の好きな人」



風「はっ？」





机に沈んでいたはずのそいつは いつの間にか顔を上げていてなんだかすごく嬉しそう





「いや、でも意外すぎない？どうしちゃったの？」




風「どうもしねーし」




「また意外すぎるとこ狙ったね〜」




風「…すっげぇ嬉しそうなのが腹立つ」




「超嬉しい！いいよ風磨そのままで！そのままよそ見せず一直線に進んじゃって！」






うるせぇ！とノートで頭を叩いても結局そいつから嬉しそうな表情が消えることはなかった









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