君はきっと、僕を待ってた (ページ8)

今日:5 hit、昨日:30 hit、合計:21,995 hit

8. ページ8

.

「さっきは大丈夫だった？ごめんね」

「そんな…」

ジュンギュさんが謝ることなんてないのに…。

「…おかげで助かりました、ありがとうございます」

ほんとに助かった…。

危うくお店から連れ出されそうになった私を

ジュンギュさんが腕を引いて助けてくれた。

「ほんとごめんね、？

あいつ、普段はあんなことしないんだけど

今日は相当酔ってるみたいで…」

「……」

当の本人は、さっきまでのことなんて

まるで無かったかのように、部屋の隅で

気持ちよさそうに眠っている。

絡まった腕をジュンギュさんがほどいてくれた瞬間

爆睡して倒れ込んでくるものだから、驚いた。

…ほんと、どれだけ飲んだの…。

私はジュンギュさんとふたり、向かい合って座った。

周りの皆は、私たちがあまり乗り気でないからか

向こうは向こうで楽しんでいて、話しかけてはこない。

…今の私にとっては、こっちの方が随分と楽でいいな。

解散の雰囲気になったら挨拶だけして帰ろう、と

もうほとんど残っていないレモンサワーを

胃袋に流す。

すると、私の顔をじっと見つめる

ジュンギュさんと目が合う。

…そういえば、さっきもこれやられたような…

「…な、何か顔についてます…？」

「…ううん、」

あまりに長い間見つめてくるから

私の顔に何かついてるのかと思ったけど、

どうやらそうではないらしい。

…でも、だったら何でそんなに見つめてくるの…？

……あ、二日酔いのせいで酷い顔してるとか？

やっぱりメイクじゃ隠しきれてなかったかぁ…。

なんて考えながら、もう一度グラスに手を伸ばす。

「Aちゃん…だっけ？」

「…？はい」

「Aちゃん、」

ジュンギュさんが変に改まった言い方をするから、

思わず首を傾げる。

「…僕のこと、覚えてない？」

……え？

.