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ジュンギュさんってモテる…。




ついさっき合流したばかりのはずなのに


あっという間に女の子に囲まれて


すごく積極的に話しかけられている。




女の子への対応は、かなり無愛想で


自分から話を振ることもせず


ただ質問されたことに、素っ気なく答えている。





私はお酒のせいなのか、頭がぼーっとして


何となく、ぼんやりとジュンギュさんを眺めていた。












「Aちゃん、どう?楽しんでる?」








…びっくりした。




………何さん、だっけ。






さっきまで向こうで話してたのに、


いつの間にか私の隣に座っている。





「…はい、楽しんでます」





今できる精一杯のつくり笑顔で微笑むと


満足気に頷いて、突然ぐっと顔を近づけられた。





…うわ、




距離が近づいた瞬間、強く香るお酒の匂い。




顔も赤いし…これはかなり、仕上がってるな。





そんなことより近いし…いきなり何…?









「…俺らさ、どっか違う店で飲み直さない?」



「……え、」







急に…?




ていうかそれって…





ふたりきりで…ってことだよね。







「…え、と…」




こんな経験初めてで


どうしたらいいか分からない。



返答に困っていると、


そっと私の耳元に口を寄せて囁く。







「俺、Aちゃんタイプなんだよね」







私が分かりやすく固まると、


その反応に満足そうに微笑んで


馴れ馴れしく腕を絡まれた。





「…っ、」



「ね、ふたりで抜け出そ!」






酔ってるんだろうけど、これはちょっとまずい…。






「……その…離して、ください…」






振りほどこうと腕を引いてみても、


男の人の力には到底適わない。



かといって誰かに助けを求めようとしても、


みんな話に夢中で私のことなんて視界にも入っていない。






「ほら、行くよ!」







…あぁ、やっぱり来るんじゃなかった…。












「…助けて」







…こういう時、彼がいたら



そっと腕を引いて守ってくれるんだろうな。





こんな時にもまた、元彼を思い出すなんて…。















私は抵抗するのを諦め、


されるがままに立ち上がろうとした…





その時、














「…ちょっと、やめときなよ」
















絡まっていたはずの腕が、するっとほどけた。










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作者名:LCS | 作成日時:2023年8月16日 15時

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