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「へぇ〜Aちゃんそこの大学なんだ!」
「頭良いんだね!」
「いやいや、全然そんなことないです…」
「てか、なんで敬語?」
「俺たち同い年だし、タメで話そうよ〜!」
「……はは…」
だめだ…このテンションにどうもついていけない。
この人たちには申し訳ないけど、
正直もう…帰りたい。
とはいっても、まだ始まって
30分も経ってないんだけど…。
確かにたくさん話しかけてくれるし
ひとりでいるよりは気は紛れるかもだけど…。
想像していたよりもグイグイ来られて、
けっこう困ってる。
あんまり会話したくなくて隅っこ選んだのに、
もう囲まれてるし…。
合コンってこんな感じなんだ。
…でも、そりゃそうだよね。
みんな出会いを求めて来てるわけだし。
…うん、やっぱり今の私には場違いだった。
軽い気持ちで来るんじゃなかったってこと。
「…ねぇねぇ、Aちゃん飲んでる?」
「もっと飲みなよ?グラス全然減ってないじゃん」
「……はい、」
グラスを片手に一点を見つめていたら
男性たちにぐいぐいと距離を詰められる。
……あぁ、やっぱり断ればよかった…。
あまりに早すぎる後悔に、肩を落とす。
「遅れてごめん」
「…あ、ジュンギュ」
背後から声がして、反射的に振り向く。
すると、パーカーにデニムパンツ、スニーカーと
ラフな格好をした顔立ちのいい男の人が立っていた。
あぁ、さっき遅れてくるって言ってた…
「バイトお疲れ〜」
「ジュンギュ何飲む?」
ジュンギュさん、という人は
斜めにかけていたバッグを肩から下ろして
空いていた私の正面に座った。
すると、
ふいにパチッと目が合う。
……あ、
「…あ、えっと…
はじめまして、Aっていいます」
……ん、?
何、なんだかすっごく見られてない…?
「…はじめまして、ジュンギュです」
…何か変な間があった気がするんだけど、気のせい…?
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作者名:LCS | 作成日時:2023年8月16日 15時