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「いや…単純に騒がしいところ苦手なんだよね」
たしかに…そんな感じする…。
だからバーにいたのかな…?
うわぁ…それなのに私うるさかったよね…。
本当に私っていい迷惑…。
…なんて、またひとりで反省会を開いていると
あっという間に駅に着いた。
「駅から帰れる?」
「帰れます」
「駅から家、結構近かったもんね」
…そうだ、ジュンギュさん家にあがらせたんだった…。
……私、ジュンギュさんに助けられてばっかりじゃん。
さっきだって助けてもらったし…。
迷惑だってたくさんかけたし…。
……そうだ。
「……私、ジュンギュさんに何かお礼します」
「…お礼?」
「いろいろと…お世話になったので…」
私ができることなんて少ないけど、
せめて何かお礼したい…。
ジュンギュさんは顎に手を当てて うーんと唸ると、
すぐに顔をぱっと上げた。
「…じゃあ、また会えたら…」
「…え?」
「また会えたら、何かお礼して?」
…また会えたらって…
そんなの、また会えるかなんて分からないのに…。
私が黙っていると、ジュンギュさんは言葉を続けた。
「…なんとなく、Aちゃんとは
また会える気がするんだよね」
…なに、それ。
突然よく分からないことを言い出す。
思わず首を傾げると、
ジュンギュさんはにこっと微笑んだ。
「…じゃあ、僕電車こっちだから。
気をつけて帰ってね」
「…いい人が、見つかるといいね。」
ジュンギュさんは一言だけ呟いて、
私と反対方向に歩き出す。
笑顔で手を振るジュンギュさんを
私は不思議に思いながら、振り返した。
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作者名:LCS | 作成日時:2023年8月16日 15時