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「…まぁ、これだけ人いたら大丈夫でしょ」
ジュンギュさんは残っていたお酒を全部飲み干して、
鞄からお財布を取り出す。
「お前、帰んの?」
わいわい話していたひとりが
立ち上がったジュンギュさんに気がつく。
「うん、Aちゃんももう帰るって」
ジュンギュさんがパーカーのフードを被りながら
そう言うと、次は私に視線をうつす。
「…そっか、Aちゃんまたね!
機会があったらまた話そ!」
「はい、ありがとうございました」
私はそれだけ言って頭を下げると、
鞄を肩にかけて立ち上がった。
「じゃあ あと頼むね、ジフナ お金だけ置いとくから」
「おう、じゃあまた」
ジフンさんに手を振って、ふたり揃ってお店を出た。
外に出ると
涼しい風を肌で感じて、少し眠気が覚める。
「僕もこっちだし、駅まで一緒に帰ろ?」
ジュンギュさんと駅まで一緒に歩くことになって、
ふたりで横に並ぶ。
「…昨日ほどは酔ってなさそうだね」
私の赤くなった顔を覗き込みながら、
ジュンギュさんが目を細めて微笑む。
…はい、おかげさまで…
「…それで、気になる人いた…?」
「……あ」
『彼氏と別れてすぐに合コンって、
意外と変わり身はやいんだね』
ふと、居酒屋でのジュンギュさんの一言を思い出す。
…そうだ、ひとつ誤解してることが…
「…その、実は今日友だちに誘われて…
1人でいるより気が紛れるかなって
来ちゃっただけなんです」
今日で軽い気持ちで来るもんじゃないって分かったけど…
「…ふぅん、そうなんだ
実は僕も誘われて、無理やり連れて来られたんだよね」
ジュンギュさんが苦笑いしながら、頬をかく。
「…合コンとか、あんまり行きそうな感じないですもんね」
「……そんな風に見える?笑」
「…まぁ、」
合コンなんか行かなくても、そのルックスと性格なら
女の子に困ることなんて無さそうだし…。
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作者名:LCS | 作成日時:2023年8月16日 15時