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…そういえば


元気のない私に、マスターさんが優しく話しかけてくれて


私の話聞いてくれるって言うから


元彼のこと話したんだった…。








私…どれだけおっきい声で話してたんだろ。






昨日のことを思い返しては居たたまれない気持ちになる。






私がずっと黙っていると、





「女の子のデリケートな話だし

今思えば僕が席変えればよかったね」




なんて笑って言ってくれるジュンギュさん。








ジュンギュさん…


優しいのかいじわるなのか、わかんない…。









「……はぁ、」







あれだけ酔ってたんだから、


相当うるさかったんだろうな…。





…元彼の話、


全部ジュンギュさんに聞かれてたってことでしょ…?






……恥ずかしすぎる…。







他人の元彼の愚痴ばっかり聞こえてきて、


絶対迷惑だったよね…。










「…ご迷惑をおかけして、すみませんでした…」





ジュンギュさんに頭を下げて、そのまま俯く。








「…また泣いちゃうの…?笑」


「…私、そんなに泣いてた…?」


「…うん、それはもう結構…」


「……はぁ、ほんとやだ…」






今日の朝、異常に腫れた目を見て


あぁ、私相当泣いたんだろうな、とは思ってたけど…




話を聞かれたどころか、泣き顔も見られてたなんて…。








もういろんな意味で泣きそう…。












「……ほんとはちょっと、心配してたんだよ…?」




「…え、?」






私が顔を上げると


首を少しだけ傾けて、私の目をじっと見つめる


ジュンギュさんと目が合った。







「お酒弱いのに


記憶なくなるまで飲んで、いっぱい泣いて…


ほんとに大好きだったんだろうなぁ、って」









……うん、








大好きだった…。










一瞬、元彼との思い出が蘇ってきて



胸がきゅぅっと締めつけられたように痛む。
















「辛かったね」















「…っ、」












まさか、




そんな言葉かけられるなんて思ってなくて…













「…もう、そんな顔しないでよ…笑」














ジュンギュさんがやさしい声で、やさしい表情で、




やさしい言葉をくれるから…










思わずまた、涙が出そうになっちゃったよ。







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作者名:LCS | 作成日時:2023年8月16日 15時

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