キミは神様。

１ 神様Side ページ26

神様Side



AAって新入社員はほんまに気持ち悪い。

入社式のその日から、
俺の事、ストーカーみたいに張ってる。

一目惚れしたんかなんか知らんけどな。


別のチームやのに、
残業してたら手伝う言うてくるし、
帰り道は駅まで同じになるようについてくるし。


俺の小指、じっと見てきたり、
神様、呼んできたり。


恐怖さえ感じんねんけど。




恒例の新入社員歓迎会が、
新入社員が入社して２週間後に、
居酒屋で開かれることに。


行かんといたろ思ってたけど、
去年の新人賞獲った俺が行かんかったら、
士気があがらんて、
チーフに言われてもうて。

しゃあないから出席したんが間違いやった。



俺にお酌してくるんは、
AA。


「ほんとに私の事、覚えてない？」


最初に言われたんがその一言。


だいたい、俺の方が２歳も年上やのに、
タメ語て。


礼儀もなってへんし。


人事課はなんでこんなヤツ、採用してんねん。


「初対面やろ？
覚えてるわけないやん」


こういうナンパの手法は、
普通、男がするもんやろ？


キモいから、
席移動して、
遅れてきた一個下で営業の小瀧の影に隠れたら。


端っこの席から、
じとおって。
すごく切ない目で見てくるし。


恐怖にぶるぶる身震いするわ。


「あれ？Aさん？ちゃう？」


俺の代わりに小瀧が、
AAに声をかけたから、
めっちゃびびった。


「小瀧くん？
この会社だったの？」


知り合いみたいや。


結局、小瀧がAAをこっちの席に呼んでもうたやん。


「高校の同級生なんです」


小瀧が俺に説明してくれた後。


「Aちゃん、今年入社？」

そう、AAに聞く。


さっきまでは苗字で呼んでたのにな。


この高身長イケメンは、
社内一のモテ男。


「うん。
結局、一浪したの。
高校辞めちゃったから・・・」


「いろいろ大変やったもんなあ。
俺も心配してた。
責任も感じてたし・・・」


「小瀧くんのせいじゃないよ。
私が勝手に・・・」

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