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『祝言の日に当たる、
水無月２日。
大倉家では、必ず祇園御霊会の山鉾巡行に向かいます。
祭りの喧騒に紛れて、
四条大橋の橋の袂で落ち合いませう。
何もかも捨ててでも二人で生きていきたい。
・・・逢いたい。
お待ちしてます。
忠義』
それだけ書かれた便箋が入ってあった。
初めて見る忠義さんの文字。
どこか自由で男らしくて・・・
涙で便箋を汚さぬように、
そっとたたんで、封にしまう。
二人で逃げ切れるやろうか。
留学の話がなくなれば、
忠義さんのお医者さんになる夢は、
どうなってしまうんやろうか。
怖くてたまらへん。
やのに、
この身は恋しいお方を想い焦がれて、
焼け付くように熱い。
お祭りの夜に、
はぐれて抜け出すなんて、
私にそない器用なこと、
出来るやろうか。
でもそうでもせん限り、
乙女の姿では、
二度と、忠義さんに会われへん。
逢いたい。
忠義さんの言葉に胸が詰まる。
私も今すぐ、お逢いしたい。
もし私の背に羽があるなら、
この鳥かごを飛び出して、
夜の空を羽ばたいて行くのに・・・
祝言の日は、
祇園御霊会の山鉾巡行の初めの日。
沢山の花嫁道具の先頭の人力車。
迎えに来られた義顕さんに手を引かれて、
二人並んで乗り込む。
後ろの車には、
大倉のお父上と忠義さんが乗られてる。
立派な袴姿の忠義さんのお姿を、
ほんの一瞬だけ、
角かくしの下から確かめることが出来た。
目が合うて・・・
胸がきゅうっと鳴いて。
お側におられる義顕さんに気付かれてしまうんやないかて、
思うほどに、鼓動が高鳴った。
車が走り出して、
京の夏の景色が過ぎ去って行く。
祭りの準備に、
いつもより華やいだ街は、
そわそわ浮かれているように映る。
鴨川の四条大橋を通る時、
夜の約束を思って、
手のひらが汗ばむ。
うまくやり通せるやろうか。
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りり(プロフ) - 大倉くんver.確かに1番甘々ですね♪彼の風雅な佇まいがそうさせるのかな？でもいくら甘々と言えど状況は辛すぎる(＞＜)移行後も楽しみです↑◎あと専属マネージャーも！すばるくんの照れた顔想像しただけでもう…(/ω＼) でも現状個人的にヤスくんに天秤傾いてますが笑 (2018年3月6日 23時) (
レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - はじめまして。君がためシリーズ、どの作品も読み応えがあって感動しました。錦戸さんとのシリーズが私の中で凄くヒットしました。大倉くんとのシリーズも楽しみにしています。春休みなので一気に読む時間があって嬉しいです。これからも連載楽しみにしています！ (2018年3月6日 2時) (レス) id: 14a99e8554 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - 初めまして、君がためシリーズはすばるくんのが一番大好きなのですが、大倉くんのお話は地元な為なんだか外を歩くと主人公さんと大倉くんの姿を思い浮かべています。更新楽しみにしています。 (2018年2月28日 1時) (レス) id: a17ea7e194 (このIDを非表示/違反報告)
rin - これからも更新楽しみにしています！ (2018年2月24日 15時) (レス) id: 7ecee3ec5b (このIDを非表示/違反報告)
rin - はじめまして！君がため。シリーズが大好きでずっと読んでいました。耳が聴こえないとか、脚が不自由とか、ハンデがある人はこの時代はどうしていたのかなと思って、foolさんの書く小説で読んでみたいなと思っていたのですが、今回が最終章なんですね(;_:) (2018年2月24日 15時) (レス) id: 7ecee3ec5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年2月21日 14時
