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「いえ。
正しいことを言うてはったから・・・
つい聞き入ってしまいました。
時代が変わったんやから、
その時代に合わせんと。
たちどころに沈んでしまいます」
私の考えを認めて下さったことが嬉しいて。
「ありがとうございます。
また是非いらっしゃって下さいね」
催促するようなことを口走ってしもた。
お客様やねんから、
何もおかしいことないのに。
恥ずかしくて、頬が熱くなる。
「是非。また来ますね」
学生さんが置いていかはった、
５銭銀貨を、大事に握りしめる。
内緒で私のお守りにしてもええやろか。
こっそり着物の胸にしのばせたけど、
悪いことをしてるという罪悪感と、
生まれて初めて抱く、
甘美な想いが胸に渦巻いていた。
家に戻ってもまだ、
あの学生さんの姿が頭から離れへん。
お爺様はどこに行かれたのか、
まだ帰宅されてなかった。
お台所で、
女学校に通ってる妹の康子ちゃんが、
お夕飯の支度をしてくれてた。
長いこと住み込みで勤めてくれてはった真佐代さんのお給金を払う余裕がなくて、先週ついに暇を出してしもてん。
康子ちゃんを手伝おう思て、隣に立っただけで、
「姉上、何か良いことがあったのですか？」
そう聞かれてしもた。
「何も。
なんでそないなこと、聞くん？」
「お顔が赤いです。
それに、口元がほころんでます。
ええことあったんでしょう？」
「別に何もないて言うてるでしょ。
変な子ね」
「変なのは姉上です。
そんなに真っ赤な頬をして」
二人でふざけながら、
お味噌汁を作ってたら、
「ただいま、帰ったで。
A！すぐに来なさい！」
お爺様が上機嫌で帰ってこられた。
また酔うてはるんかな。
お酒代もバカにならんから、
やめて下さいて、
何度もお願いしてるのに・・・
厳しく言わんと。
心を鬼にしたいとこやけど、
今日の私は胸にお花が咲いたように、
ふわふわ夢見心地やから・・・
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りり(プロフ) - 大倉くんver.確かに1番甘々ですね♪彼の風雅な佇まいがそうさせるのかな？でもいくら甘々と言えど状況は辛すぎる(＞＜)移行後も楽しみです↑◎あと専属マネージャーも！すばるくんの照れた顔想像しただけでもう…(/ω＼) でも現状個人的にヤスくんに天秤傾いてますが笑 (2018年3月6日 23時) (
レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - はじめまして。君がためシリーズ、どの作品も読み応えがあって感動しました。錦戸さんとのシリーズが私の中で凄くヒットしました。大倉くんとのシリーズも楽しみにしています。春休みなので一気に読む時間があって嬉しいです。これからも連載楽しみにしています！ (2018年3月6日 2時) (レス) id: 14a99e8554 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - 初めまして、君がためシリーズはすばるくんのが一番大好きなのですが、大倉くんのお話は地元な為なんだか外を歩くと主人公さんと大倉くんの姿を思い浮かべています。更新楽しみにしています。 (2018年2月28日 1時) (レス) id: a17ea7e194 (このIDを非表示/違反報告)
rin - これからも更新楽しみにしています！ (2018年2月24日 15時) (レス) id: 7ecee3ec5b (このIDを非表示/違反報告)
rin - はじめまして！君がため。シリーズが大好きでずっと読んでいました。耳が聴こえないとか、脚が不自由とか、ハンデがある人はこの時代はどうしていたのかなと思って、foolさんの書く小説で読んでみたいなと思っていたのですが、今回が最終章なんですね(;_:) (2018年2月24日 15時) (レス) id: 7ecee3ec5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年2月21日 14時
