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焼け焦げの畳の上に、
引きちぎられた姉ちゃんのワンピース・・・
夏やのに、
身体が震えて、
止まれへん。
なんで。
なんでこんなことに・・・
「しょ、う、ちゃん、・・・？」
台所の板の間に座り込んで、
下着姿のA姉ちゃんが、
俺を虚ろな目で見た。
身体じゅう、傷だらけや。
「姉ちゃんっ、・・・」
駆け寄って、
いつの間にか、
俺より少し小さあなった、
A姉ちゃんを、
包み込むように優しく抱きしめた。
姉ちゃんも夏やのに、
震えが止まれへん。
けど泣いてない。
俺だけが、
後から後から、
やせ細ったA姉ちゃんの身体の上に、
涙、こぼして・・・
生まれて初めて、嗚咽で、
喉が詰まって死ぬんやと思った。
もう死んでもええ。
姉ちゃんと二人なら・・・
包丁が土間に落ちてる。
姉ちゃんが必死で抵抗した痕。
「A姉ちゃん、一緒に、死のか？」
包丁を拾って、手にした時、
A姉ちゃんが弾かれたように泣き出した。
「章ちゃんは死んだらあかん。
生きて歌い続けて。
お願い、歌を、歌って欲しい・・・」
俺のシャツを、
か弱い力でそっと摘んで、
懇願する。
声になんか、なれへん。
なれへんけど。
A姉ちゃんのためだけに、
歌う。
トタン屋根の隙間から差し込む朝の光の中。
折れそうな体を抱きして、
歌いながら、
・・・一生分の涙を流した。
襲われた相手についても、
何があったんか、詳しいことも、
A姉ちゃん、
俺にだけは言いたないみたいで、
俺も、傷を蒸し返す事はしたなくて、
もう、忘れたふりをしてるけど・・・
犯人は、他でもない、
キャバレーの店主の蒔田に決まってる。
翌日たった１日休んだだけで、
A姉ちゃんは仕事に復帰した。
俺は、
姉ちゃんを汚した蒔田を、
殺してやるつもりやったのに。
「今度は私が仕返しに、
あの男から何もかも奪ってやるから。
大丈夫」
A姉ちゃんは、
あやしく、美しく微笑んで、
蒔田の妾になった。
その胸の中にどんな想いがあったのか、
１６の俺には理解することなんて、
到底無理やった。
A姉ちゃんももしかして、
蒔田のこと、満更でもないん？
ええ洋服買うてもらうようなって、
着飾ってわろてる姉ちゃんを見てると、
時々、分からんなってまうねん。
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みき(プロフ) - やすくんの君がため。また読みにきちゃいました(//∇//)色んなやすくんをfoolさんの作品で読ませて頂けて幸せです！ (2020年11月20日 21時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 焼き直し、ありがとうございます。新しい作品として読めました！切なくて、でも2人の愛をすごく感じました！ (2019年11月7日 16時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 焼き直しで初めて読んだので、私にはありがたかったです。切ないけどハッピーエンドで良かった！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 焼き直し、お疲れ様です(*^^*) 新鮮な気持ちで読ませて頂いてます♪ (2019年10月28日 21時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ぷーかは年中無休。|´-`)(プロフ) - すばるくんの話、感動で泣いてしまいました…とてもいい作品でした… (2018年3月26日 23時) (レス) id: cb0b6d334f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年9月18日 6時
