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一番下の見合い写真を、
晴美ママが、手にして、
ガラステーブルの上に広げてる。
「ほんまにええ人なんよ？
隣町で、洋品屋さんやっててね。
村上さん言うん。
年は３２。
奥さんに先立たれて寂しいらしいん。
大丈夫。
先妻さんとの間には子供はおらんて。
Aちゃん、
こんなええお話、滅多とないねんから。
一回会うだけでも、会うてみたら？」
横目で確かめた、
お見合い写真の、
仕立ての良さそうな背広姿の男の人は、
大人で、いかにも裕福そうや。
それに、どんな事でも、
はねのけてしまいそうな、
明るい笑顔をしてる。
この人なら・・・
もしかしたら、A姉ちゃんを、
救ってくれるかもしれへん。
けど、嫌や。
他のどんな男でも。
「私なんか、」
言いかけたA姉ちゃんを遮って、
「私ね、色々あったけど、
Aちゃんには幸せになって欲しいんよ」
晴美ママが、一人、悦に入って、
喋り続ける。
店主の蒔田の形見分けで、
晴美ママはこの店をもろてん。
あいつのせいでおかしなったA姉ちゃんには、
なんも遺さんと、逝ってもうたから。
そのことで、晴美ママは、
A姉ちゃんを不憫に思うてはるねん。
姉ちゃんは、誰かに同情されるような女やない。
可愛いて、優しいて。
あんなに明るうて、賢かった。
俺の宝物やったのに・・・
不意に。
「幸せ？」
A姉ちゃんがうっすら笑った。
「幸せって何？
ママは、今、幸せ？」
晴美ママが、姉ちゃんの不気味さに後ずさりする。
姉ちゃんがそれを店の壁際まで追い詰めていった。
無理に、晴美ママから引き離して。
「姉ちゃん、帰るで」
A姉ちゃんの手を引いて、
店を出る。
どれだけ壊れてても。
俺の唯一、大切な人に変わりない。
俺はずっとA姉ちゃんに守られてきた。
やから、これからは俺が姉ちゃんを守る。
結婚なんか、出来へんかっても、
一生、この想いを口にすることが叶わんとしてもええ。
・・・守りぬいて見せる。
しばらくして、
神戸の芸能事務所の社長て人から電話があって、
その人と映画の監督が、
キャバレーまで俺に会いに来た。
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みき(プロフ) - やすくんの君がため。また読みにきちゃいました(//∇//)色んなやすくんをfoolさんの作品で読ませて頂けて幸せです！ (2020年11月20日 21時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 焼き直し、ありがとうございます。新しい作品として読めました！切なくて、でも2人の愛をすごく感じました！ (2019年11月7日 16時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 焼き直しで初めて読んだので、私にはありがたかったです。切ないけどハッピーエンドで良かった！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 焼き直し、お疲れ様です(*^^*) 新鮮な気持ちで読ませて頂いてます♪ (2019年10月28日 21時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ぷーかは年中無休。|´-`)(プロフ) - すばるくんの話、感動で泣いてしまいました…とてもいい作品でした… (2018年3月26日 23時) (レス) id: cb0b6d334f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年9月18日 6時
