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天元side
Aと結婚式を挙げるにあたって、どんな式にしたいかと話し合った夜の事
思い返せば俺達は、本当に多くの人達に支えられてここまでやってきた
きっと、今まで身に降りかかった どんな出来事も…一つだって欠けていたら今は無かっただろうと思う
だから…今まで沢山支えて貰った皆に少しでもその感謝を伝えられる式にしようって…そう話し合った
演出の一つ一つを…装飾を、料理を……何一つ妥協せず
ただ豪華にすりゃ良いってもんでもねぇけど、それでも自分達が納得いく物であれば迷わず選んで決めようって
それは式場が決まり、担当プランナーさんが就いてくれた時にも伝えたテーマだった
その話を聞き、打ち合わせを進めて行く中で…そのプランナーさんからあった提案の一つが…
_「最近では新郎様から親御様にお手紙を送ると言う演出も増えて来てるんですよ
お二人の式のテーマが"感謝を伝える"なら…これもぴったりの演出かと思いますが、いかがですか?」
_A「…!とっても素敵ですね!」
その提案にAはかなり良い食い付きを見せたけど、当の俺はというと…
今更 改まって何を言う?そもそも、母親はともかく…親父が俺からの手紙を貰って喜ぶ所が想像つかねぇ
今まで招待された結婚式で、花嫁の手紙は どんな式でも感動を呼んでいたし
きっとAとAの両親も、間違いなく感極まる暖かな時間になるだろうけど
反応に困らせて気まずい空気にでもなってみろよ…
折角 それまで順調に進んでた式も、ぶち壊しになっちまうんだぞ…?
そんな心配も他所に、Aは俺が遠慮するのを寂しそうな音をさせながら残念そうに眉を下げる
感謝してない訳じゃない…
俺が子供の頃から抱いていた嫌悪感も、今となっては親父の気持ちを知らずに怖がっていただけだという事も分かった
ただ口下手で、感情が見えにくい不器用さが目立つ…どこにでもいる家族想いの頑固な父親なんだって…
天元「……手紙か…そういや、親に宛てた手紙なんて…人生で一度も書いた事ねぇな…」ボソッ
自室のデスクに向かいながら、頬杖を付いてぼんやりしながら呟く
視線の端には、気が向いたら使ってと渡された白い便箋と封筒
きっとその紙にペンを走らせる事は無いと思うけど…
そもそも俺は、親父にとって…どんな息子なんだろうな……
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レモネード - 机に向かって書く物といえば、もうあれしかないよね。いよいよ結婚式かぁ〜。みんなと会うのも久しぶりなんだろうなぁ。カナヲや梅ちゃん、アオイちゃんも来てくれるよね。さらに可愛くなっていてほしいなぁ。 (2022年1月6日 15時) (レス) @page50 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - レモネードさん» 天元さんとお父様の擦れ違いの様な物が、少しずつ糸を解くように解れて行って…お互いに歩み寄り始めて良かったですね(^^)次章はいよいよ結婚式…宇髄夫婦のみならず、他のメンバー達も大集合の回になります! (2022年1月5日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - お父様はあんまり感情を表に出すのが苦手だったんだね。でも、二人の写真を見て喜んでくれてよかった〜。 (2022年1月5日 1時) (レス) @page49 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - レモネードさん» 天元さんから見たお父様像は明らかにされていましたが、お父様は 天元さんの事を ずっとどう思っていたのでしょうか…?この結婚式を機に、また二人の関係が前進するといいですね!こちらこそ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします(^^) (2022年1月3日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 天元さんのご両親、特にお父様とは子供の頃は嫌悪感を抱いていたけど、今はどう思っているんだろう……。もう少し話し合いが必要だね。年が明けたね。今年もよろしくね。 (2022年1月3日 0時) (レス) @page46 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年12月5日 23時