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杏寿郎「余りにも穏やかな笑顔でそう言うものだから、こちらが戸惑うくらいだった
数日前に旦那を亡くしたとは思えない程、優しい笑顔だった
でも決して、愛が浅かったとか…そういう事では無く
決して…心の傷が癒されたとういわけでも無いはずなのに…
ただ…旦那であったその人が言ったそうだ…あの結婚式の日の夜…
"もしこの先、何か思いがけぬ不幸に見舞われ…自分達が引き離されてしまったとしても
今日この日の幸せな時間を思い出しては支えにし、前を向いて生きていこう
残される側がどちらであったとしても、どちらかの記憶として 二人で過ごした時間が…今日と言う素晴らしい一日が遺れば、きっと明るい道を歩み続ける事が出来るだろう"…と…」
A「…っ」
杏寿郎「俺は前世では知っての通り、任務中の戦いの末命を落とし
婚礼は愚か…生涯を添い遂げたいと思える女性と出逢う事も無く…今世でもまだ縁のある女性とは巡り会っていない
だから、婚礼という物はどこか他人事だったのだが…
不死川とカナエ、冨岡としのぶ…そして小芭内と蜜璃
前世で見る事の叶わなかった彼らの、幸せそうな その瞬間を見届ける事が出来
互いに微笑み合う姿を見る事が出来た時、やはりその瞬間と言うのは他の何にも変え難い物なのだという感覚が分かった気がするんだ
鬼も居らず…刀を振るう事の無い今世では、あの時よりも明日を…来年を…将来の安泰を容易に描ける世界だが
それでも予期せぬ不幸は、どこで息を潜めてるか分からない
最悪の事態を意識する必要は無いとは思うし、死別なんて重たい事じゃなくとも
…例えば宇髄と喧嘩をしてしまった時や、擦れ違い 上手く心が通わない時…
そんな時に、支えとなる瞬間があるのも…また光栄な事なんじゃないかと俺は思う
まぁ、十人十色…Aにとっては結婚式以外の事が
…と、長くなってしまったが…つまり何が言いたかったかと言うと
俺の思う結婚式という物は、ただ挙げて終わりでは無く…その先もずっと続く物なんじゃないかと…そういう事だ!」ニッ
A「煉獄先生…」
結婚式は形を変えながらも、ずっと昔から残されて来た儀式
ただその瞬間だけじゃなく…その先も続く物だと言われた時に、無意識にも胸の奥深くにぐっと来るものを感じた気がした…
A「煉獄先生のお話が聞けて良かったです…っ…ありがとうございました」
杏寿郎「…!それなら良かった…!」ニコッ
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レモネード - 机に向かって書く物といえば、もうあれしかないよね。いよいよ結婚式かぁ〜。みんなと会うのも久しぶりなんだろうなぁ。カナヲや梅ちゃん、アオイちゃんも来てくれるよね。さらに可愛くなっていてほしいなぁ。 (2022年1月6日 15時) (レス) @page50 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - レモネードさん» 天元さんとお父様の擦れ違いの様な物が、少しずつ糸を解くように解れて行って…お互いに歩み寄り始めて良かったですね(^^)次章はいよいよ結婚式…宇髄夫婦のみならず、他のメンバー達も大集合の回になります! (2022年1月5日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - お父様はあんまり感情を表に出すのが苦手だったんだね。でも、二人の写真を見て喜んでくれてよかった〜。 (2022年1月5日 1時) (レス) @page49 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - レモネードさん» 天元さんから見たお父様像は明らかにされていましたが、お父様は 天元さんの事を ずっとどう思っていたのでしょうか…?この結婚式を機に、また二人の関係が前進するといいですね!こちらこそ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします(^^) (2022年1月3日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 天元さんのご両親、特にお父様とは子供の頃は嫌悪感を抱いていたけど、今はどう思っているんだろう……。もう少し話し合いが必要だね。年が明けたね。今年もよろしくね。 (2022年1月3日 0時) (レス) @page46 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年12月5日 23時