君と描く物語-RETURN-

＃３５ ページ35

学校で起こったそんな騒動も無事に収まり、翌日から平穏な日々が戻って来た

最初こそ驚いた生徒達も、私と天元さんが 余りにも今まで通りに過ごしているせいか
私達が校内で話していても別に何か言ってくる訳でもなく


ただ、私達を夫婦と認知はしてくれているからなのか…

｢宇髄先生、この間言ってたのどうなったのー？｣

A｢…？｣

校内を歩いていたら、近くから生徒達の声が聞こえて視線をやる

天元｢あー？なんだったっけ……あぁ、修学旅行のあれか？駄目っつっただろー？｣

｢えー！何で〜…意地悪！そんな意地悪言うと、昨日うずてんが学校の備品 壊したの Aちゃんにチクるよ｣

天元｢ば…っか！あいつ怒ると凄ぇ怖いんだぞ！？それに、あれは元々 壊れかけてたんです〜｣

｢えー…嘘だ〜！それに、A先生は怒っても怖くなさそう｣｢分かる！怒ってもきっと可愛いよねー｣

天元｢いや、想像してみろ…可愛い顔した奴が笑顔で淡々と説教する時が一番 怖いんだよ…｣

｢｢……あぁ…｣｣

なんて会話をしてるんですか、天元さん…

て言うか…

A｢やっぱりあの備品壊したの宇髄先生だったんですね…？｣ｽﾞｲｯ

天元｢…！？A！？いつからそこに…！｣ﾋﾞｸｯ

｢あー！Aちゃん良い所に！｣｢聞いてよ、うずてんが〜｣

天元｢お前ら卑怯だぞ！Aを味方に付けようとすんじゃねぇよ！｣

A｢大人気ないですよ、宇髄先生｣ﾆｺｯ

天元｢何で俺が怒られる流れになってんだよ…！｣

一連の騒動の後、こんな風に天元さん絡みで私に声を掛けてくる生徒が増えた気はする

まぁ…下手に絡まれたりするよりは、こんな程度なら可愛いものなのかもしれないな

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

A｢あ…ほら、皆 予鈴なったから教室戻りなさい…

宇髄先生の事は私がちゃんと事情聴取して厳しく言っておくから｣

｢はーい｣

天元｢な…っ｣

生徒達は天元さんに悪戯な笑顔を残して教室へ帰って行った

天元｢…｣

A｢…ふふ、天元さん…私が本当に怒ると思ってるんですか？｣ｸｽｯ

二人きりになった途端に、気まずそうに目を逸らして黙りな天元さんを見て思わず笑ってしまった

天元｢だって、Aが生徒達の味方するから…｣

A｢あんなの嘘ですよ…ほら！職員室行きましょ？｣

天元｢……はぁ〜…Aに軽く遇われる日が来るとは…｣

A｢なんですか、それ〜｣

天元｢べっつに〜｣

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