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#37 ページ37

タイミングの掴めない会話…

未だ部屋に入ってから目すら合わないこの状況に、居た堪れない空気に息が詰まって頭も上手く働かず声も出せずに居ると…

先に口を開いたのは天元さんのお父様の方で


「君は……今日ここに何をしに来た…」

A「…っ」ビクッ

ゆっくりと振り向きながら、その鋭い視線が私を捉えた

喉に……空気が詰まる…っ

耳の奥深くで鳴り響く鼓動音
どくん…どくんっと速さを増して鳴り続けてる

答えなくちゃ…何が正解かなんて分からないけど、こんな空気の中で嘘なんか付けるわけない

A「……きょ…うは……っ…雛鶴さん達…に、ご挨拶に…」

やっとの思いで、乱れながらも口へ…肺へ空気を取り込み言葉を発する

「ハァ……成程、そうか……そして私が不在だという事も承知で来ていたのだな。客間に息子達の嫁 三人も揃っているのか

指図め、須磨辺りが君達を呼び付けたのだろう」

A「…っ……待って下さい!須磨さん達は悪くないんです!

ここに来る途中に お父様がご在宅じゃないと聞かされた時にお断りすれば良かったものを、私がそうしなかっただけで…

なので、どうか須磨さん達 三人を責めるのは……っ」

大きな溜息と眉間の皺…
きっとこのままじゃ家主不在の自宅に見知らぬ人間を上げた三人が怒られてしまうのではないか

そう思い身を乗り出すように思わず大きな声が出てしまった


折角 私と仲良くしようとしてくれた
あの三人の事を守りたい…

こんな出しゃばった真似したら、火に油かもしれないけど……でも…っ

「落ち着きなさい…別に私は怒ってなどいない……」スッ

A「え……」


私の肩に優しく、大きな手が触れて…その瞬間に肩に入った力が引いていくのを感じた

その大きな手は…天元さんの手よりも一回り大きくて、暖かくて…少しだけ骨ばっていた

でも、その優しい触れ方は天元さんに良く似ていて…私は無意識に安心した


「すまない…怯えさせてしまったか。元々 こういう顔なのだ

君が今日ここへ来た事…そして私が不在だと知っていた事を、特段 不快に思っているという訳では無い

勿論、この事であの三人を責めるつもりも毛頭無いから安心しなさい」

A「…はい」ホッ

良かった……そう肩を撫で下ろしたのも束の間に

「まだ…名を名乗っていなかったな……私は宇髄 満継

単刀直入に聞こう……君は、天元の恋人なのか?あいつと……将来を誓い合う仲なのか?」

A「…っ」

試される…時が来た……

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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レモネード - よかったねぇ〜〜夢がついに叶ったんだね。( ω-、)もうこれでいつでも同じ場所にいれて、景色も一緒に見られるんだ。今まで辛いこともあったけど、めげずにここまでやってきたんだし、もう大丈夫だよ。 (2021年11月15日 1時) (レス) @page50 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 天元さんの甘々加減には、周りも一緒に赤面物ですね(^^)そして、夢主がずっと目指していた夢がやっと現実に……これで天元さんと同じ場所で同じ景色を見られますね!ずっと頑張ってきて良かった…!努力は必ず報われますね! (2021年11月13日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 梅ちゃん〜、本当に有言実行だね。それにしても、すぐ気づくなんてすごいなぁ。周りのことを気にせず、褒めてくれるなんて、本当に天元さんらしいですね。夢主ちゃんも恥ずかしい反面、嬉しかったりするのかなぁ。(’-’*)♪ (2021年11月13日 0時) (レス) @page49 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 夢主を信じて、黙って見守ってくれた天元さんの優しさと暖かさが格好良いですね!そして、有言実行の梅ちゃんが天元さんに爆弾発言させてましたね(^^; あそこで堂々と褒める辺りが流石天元さんと言うか…笑 (2021年11月12日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 天元さんも実はこっそりと話を聞いていたんだね。本当は間に入って自分の口から言いたかったと思うけど、夢主ちゃんも負けなかったね。そしてご両親に気にいれられるなんて、すごい。(゜∇^d)!! (2021年11月12日 0時) (レス) @page48 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2021年10月15日 12時

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