#33 ページ33
雛鶴side
A「すみません…御手洗お借りしても良いですか…?」ヨロッ
雛鶴「あ…出て突き当たりを左よ…っ」
力無くふらっと部屋を出て行くAちゃんを、私達 三人で掛ける言葉に詰まりながら見送る
まきを「…敢えて言わなかったけど気付いちゃったね
Aちゃん大丈夫かな…足取り怪しかったけど」
須磨「私なら消えて無くなりたいレベルです…っ」
まきを「援護してあげたいけど…相手が ご当主だと思うと どうにも……」
雛鶴「本人の立場からすれば 絶望的よね……」
当主自ら選んで決めた嫁の私達でさえ こんな状態なのに…
全くもって宇髄家や当主と接点の無い自分が…って思うのも無理ないわ
でも…天元さんは信じてるんですよね…
Aちゃんなら…あの頑ななご当主のお考えをも、覆してくれるんじゃないかって
確かに 今日 話して思ったけど……この短時間で、Aちゃんが心の優しい子だって事はよく伝わってきた
あんなに実家に顔を出すのを嫌がる天元さんに、今日を含め二度も足を運ばせたのだって十分凄い事だし
それに、
_天元「雛鶴さんは素敵な方だと存じております。ですが申し訳ありません、この縁談…無かった事にして貰えないでしょうか
俺は…他の誰かが決めた相手では無く、俺が心から愛する…自らが選んだ相手としか結婚できません」
見合いの席で、用意されていた座布団に一度も座る事無く
深く頭を下げて静かな声でそう言った天元さんを今でも良く覚えている
私の事を気遣った上で、それでも自分の意思を真っ直ぐに貫き通す姿勢を見て
私も、胸を張って私の道を進みたいと思わせて貰えた
昔から私には無い強い心を持った人だと思っていたけど、その時改めて 天元さんの強さに憧れた
そんな天元さんが この前ここに立ち寄られた時に、まだご両親には報告していないけど…結婚の約束を交わした女性がいると嬉しそうに教えてくれた
天元さんが話してくれるAちゃんの人柄は、見ず知らずの私でも分かるくらい素敵な方だと伝わってきて
私も…奇跡が起きるんじゃ無いかなって思った
だって……
_天元「あいつは…Aはさ、本当に凄えんだ……」
Aちゃんの事を話す天元さんが、本当に誇らしそうに…愛おしそうに話すから…
だから……
天元「おい!A居るか!?」バッ!!
雛鶴「…!」
まきを「天元さん!?」
須磨「戻って来ていきなり何ですか…!」
66人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモネード - よかったねぇ〜〜夢がついに叶ったんだね。( ω-、)もうこれでいつでも同じ場所にいれて、景色も一緒に見られるんだ。今まで辛いこともあったけど、めげずにここまでやってきたんだし、もう大丈夫だよ。 (2021年11月15日 1時) (レス) @page50 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 天元さんの甘々加減には、周りも一緒に赤面物ですね(^^)そして、夢主がずっと目指していた夢がやっと現実に……これで天元さんと同じ場所で同じ景色を見られますね!ずっと頑張ってきて良かった…!努力は必ず報われますね! (2021年11月13日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 梅ちゃん〜、本当に有言実行だね。それにしても、すぐ気づくなんてすごいなぁ。周りのことを気にせず、褒めてくれるなんて、本当に天元さんらしいですね。夢主ちゃんも恥ずかしい反面、嬉しかったりするのかなぁ。(’-’*)♪ (2021年11月13日 0時) (レス) @page49 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 夢主を信じて、黙って見守ってくれた天元さんの優しさと暖かさが格好良いですね!そして、有言実行の梅ちゃんが天元さんに爆弾発言させてましたね(^^; あそこで堂々と褒める辺りが流石天元さんと言うか…笑 (2021年11月12日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 天元さんも実はこっそりと話を聞いていたんだね。本当は間に入って自分の口から言いたかったと思うけど、夢主ちゃんも負けなかったね。そしてご両親に気にいれられるなんて、すごい。(゜∇^d)!! (2021年11月12日 0時) (レス) @page48 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:P | 作成日時:2021年10月15日 12時