君と描く物語-番外編-

＃１７ ページ17

[episode4:俺の義兄達は…]

千影side

どうも、甘露寺家 長男 千影です
俺の通うキメツ学園には、義理の兄が三人居ます

正確には二人ですが、カナエさんも小さな頃からお世話になっている実の姉の様な存在なので三人

来年辺りにはしのぶさんも結婚予定なので、多分在籍中には四人に増えます

姉達が卒業してからの旦那 及び婚約者達の仕事っぷりをご覧頂けなくなり、少なからず物足りない読者の方々も居るかと思い
今日は生徒視点と、俺ならではの義理の弟視点で彼らの仕事っぷりをお届けしたいと思います


まずカナエさんの旦那、不死川先生

実弥｢こらァ！校内に不要物の持ち込みは禁止だぞォ！｣ｷﾞﾛｯ

｢ﾋｨ…！す…すみませんっしたぁぁあ！｣

実弥｢あ…っ！廊下は走るなァ、危ねぇからァ！……ったく｣

相変わらずの強面でビビられてます

でも俺は知っている、実はとっても優しい事
現に注意はしても没収はしないし、授業で分からない生徒がいれば理解するまで何度でも解き方を教えてくれる

その見た目と低い声に怯えられがちだけど、先生の優しさを知ってる生徒はギャップ萌えしてイチコロだとか…

カナエさんも、不死川先生のそんな所に惚れたのだろうか


…でも一番 意外なのは

ﾌﾞｰｯ…ﾌﾞｰｯ…

実弥｢…！もしもし、どうしたァ｣ﾋﾟｯ

誰からの電話かは直ぐ分かる、分かりにくいけど少し甘い顔になったからカナエさんからだろう

実弥｢あァ？帰りに牛乳なァ…わかった、後は何かあるかァ？……そうか、出来るだけ早目に帰るからよォ｣ﾆｺｯ

一番意外なのは、好きな人(カナエさん)と話す時は、普段の目付きから想像できない程 目尻を提げて緩みきった笑顔になる所


カナエさんの旦那さんって知らなきゃ、俺も他の皆と同じ様に見た目だけで不死川先生の事怖がってたかもしれないけど

でも……

実弥｢ちゃんと暖かくしてろよォ？…おォ、分かってるって……ん、じゃあな…カナエ｣

あんな風にカナエさんの名前を愛おしそうに呼ぶ声と表情を見たら…

千影｢……ふっ…仲良い夫婦だな｣ﾎﾞｿｯ

不死川先生を怖がる生徒なんて誰も居なくなるんだろうなと思う


実弥｢……ん？お前…甘露寺ん所の長男坊じゃねぇかァ｣

千影｢…！こんにちは｣ﾍﾟｺｯ

実弥｢おう。こんな所で何してんだァ｣

千影｢教室に戻る途中で｣

実弥｢そうか…次 お前ん所の教室だし一緒に行くかァ｣ﾆｯ

千影｢はい｣ｸｽｯ

不死川先生は、優しいカナエさんが選んだ良い人

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