部屋 ページ24
るぅとside
さとみくんが、Aを抱えて帰ってきた。
初めは、夢かなんかかと思った。
でも、頬を抓って、痛みを感じて。
現実だって実感したら、涙が溢れ出た。
さとみくんが帰って来たこと。
Aとまた会えたこと。
その嬉しさで胸がいっぱいになった。
なーくんのベッドで眠るAを、滲んだ視界でよく見る。
その容姿は、雪柱であった時とびっくりするほど似ていた。
雰囲気も似ていて、あぁ、Aだ、と痛感した。
また、会えたんだ。
じっと見つめていると、涙が頬をつたった。
次々と流れては、僕の頬を潤していく。
鳴き声でAを起こさないように、と急いでリビングへ降りた。
リビングに入って、ソファーに座ってすぐ。
鳴き声が口から溢れた。
雪柱が亡くなったと知った時を思い出して泣き、
今日Aに会えたという事実に泣き、
今まで兄弟が誰も居なくならなかった事に泣いた。
その日は、言うまでもなく皆泣き疲れ、リビングで寝た。
─────次の日。
る「んぅ…。」
左肩に重みを感じながら、起きた。
時計は、朝の9時を指していた。
周りを見ると、まだみんな寝ている。
僕が1番のようだ。
ちなみに、左肩には莉犬の頭が乗っていた。
何時まで泣いていたのだろうか。
心做しか、頭が少し痛い。
莉犬の頭をゆっくりとソファーに下ろし、立ち上がる。
お茶を飲み、なーくんの部屋へと足を進めた。
Aが心配たたからだ。
目が覚めたら知らない部屋なんて、怖いだろうし。
コンコン、とノックをする。
気配は感じるから、まだ寝ているのだろうか。
る「失礼しま〜す…。」
小声で言いながら、静かにドアを開け、中に入る。
案の定、Aは寝ていた。
ベッドの近くに椅子を持ってきて、座る。
昨日は涙で滲んでいてハッキリ見えなかった顔を、見つめた。
しばらくすると、Aが寝返りをうった。
僕の方に、Aの顔が向いた。
ふっと微笑んで、もう少し近くに行こうとした時。
る「え、これ…。」
Aの頬に、平手打ちされたような跡があった。
る「一体、誰が…。」
Aの目が覚めたら、聞こう。
モヤモヤを抱えながらも、朝ごはんを作りに行くため、ドアを開ける。
る「ゆっくり休んでね、A。」
そう言い、そっと、ドアを閉めた。
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ゆゆ(プロフ) - おわゎ、思い出してない子と、大好きでたまらない6人、、、6人は悲しいだろうな。頑張ってください!!! (2023年2月9日 21時) (レス) @page25 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - ゆぃさん 読んでいただけて嬉しいです!心配ありがとうございます…!これから頑張ります! (2021年4月17日 19時) (レス) id: bed9197549 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 雨歌さん 読んでくださって、ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2021年4月17日 19時) (レス) id: bed9197549 (このIDを非表示/違反報告)
雨歌 - めちゃくちゃ面白かったです!お気に入りしました!続きが凄い気になる…。これからも頑張って下さいッ!!大好きです! (2021年3月17日 17時) (レス) id: f73077e8b3 (このIDを非表示/違反報告)
sena @ 炭治郎推し(プロフ) - 黄緑さん» みんな…!!ありがとう!(*T^T) (2020年11月23日 12時) (レス) id: ac4232c1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄緑 | 作成日時:2020年11月3日 14時