苺の王子様は鬼殺隊員

睡眠の時間 ページ10

Aside

久しぶりに玄関から家に入って、手洗いうがいをする。

…久しぶりにって言うのは、任務帰りに玄関から入るってこと！

普段はきちんと玄関から入ってるから！

『ん？なにこれ…？』

私の部屋に入ると、真ん中に、風呂敷が置いてあった。

中に、何かが入っているようだ。

『よいしょっと…。』

丁寧に風呂敷を広げると、中には、水色の布と、文が入っていた。

『あ、これ、みぞれが言ってたしのぶちゃんからの届け物か。』

そういえば、みぞれ、家の前に着くまで私の肩にずっと乗ってたな…。

励ましてくれてたのかも、と思うと、笑みが零れた。

丁寧に畳まれている文を手に取り、中を見る。

【Aさんへ

　また、文を送ってしまい、すみません。

　Aさんは、つい先日、顔を隠せるものが欲しいとおっしゃっていましたよね。

　私なりに探してみたところ、ちょうど水色の布があったので送らせてもらいます。

　それを、ベールのようにつけてもらいたいです。

　内側からは良く見えますが、外からは輪郭さえも一切見えない布になっています。

　私も、紫の布を買ったので、色違いの、お揃いです！

　これからも、任務、頑張って下さい。

　ご武運をお祈りしております。】

…いや、しのぶちゃん、凄っ！！

確かに、顔が隠せる布が欲しいとは言ったけど、ふっと言っただけだし！

それに、その後、すぐに別の話になってたよ！？

気が利きすぎて…一周まわって、怖くなってきちゃったよ。

それから、私はしのぶちゃんにお礼の文を書いた。

あげようと思って買っておいた香水も入れて、みぞれに持たせた。

みぞれが見えなくなってから、私はお風呂に入って、布団を敷いた。

目覚ましをセットして、布団に潜り込む。

今日、見てしまった光景。

思い出しては悲しんで、を繰り返していると、いつの間にか、眠っていた。

───次の日。

明日、丙の人達と会うんだなー、と考えながら、身支度をし、家を出た。

いつもどうり、6人へ学校へ行って、授業を受けた。

お昼休みは、6人でご飯。

まだ、誰もクラスで仲のいい子が出来ていなかったのだ。

仲の良い友達、作りたい…。

まぁ、みんなといられる時間も楽しいし、いっか！

6時間目は総合の時間で、班の子達と交流をした。

すぐに、班の子達と仲良くなれて、嬉しかった。

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