手当の時間 ページ23
Aside
『胡蝶さんっ!!』
蝶屋敷へと駆け込んだ私は、胡蝶さんの名前を叫んだ。
胡「なんですか?Aさん…まぁ、凄い出血…。こちらへ。」
胡蝶さんが案内してくれた部屋へ、莉犬くんを運ぶ。
ベッドに寝かせてから、玄関へ急ぐ。
隠の方達が連れてきてくれたみんなを、部屋へ運んでいくためだ。
公園から蝶屋敷は、だいぶ遠い。
私が全力で走って、約20分。
隠の方が巻いてくれていた包帯は、赤い血で染まっていた。
最後のジェルくんを運び終わってから、胡蝶さんを見る。
アオイちゃんに、きよちゃん、すみちゃん、なほちゃんが周りで指示を聞いていた。
私にも、何か出来ないかと考えたが、どっと、疲労と眠気が私を襲う。
それもそうだ。
約20分全力で走り続け、流石に、隠の方達でもヘトヘトになっていた。
なのに、全員を部屋まで往復して運んだのだ。
私が頭をこくりこくりとしていると、なほちゃんが来て、
なほ「Aさんは、お休みになってくださいっ!お部屋へ案内します!」
と言い、私を引っ張って、布団の敷かれた部屋へ連れていってくれた。
『ありがとう。みんなを、よろしくね。』
なほちゃんにそう言って、布団に潜り込む。
なほ「はいっ!おやすみなさい。」
パタン、とふすまが閉まると同時に、私は、夢の中へ落ちていった。
───次の日。
『…う、う〜ん…。』
目を覚ました私は、外から入ってくる光の強さに、目を細めた。
『っ…!みんなっ!』
急に幼なじみ達のことを思い出し、ガバッと起き上がる。
そのまま、長い廊下を走って走って、みんなが寝ている部屋にたどり着いた。
『失礼しま〜す…。』
声を小さくして、音を立てないように、扉を開ける。
部屋の両側に3つずつ、等間隔で並んでいるベッド。
その上には、すやすやと寝息を立てて眠る、6人がいた。
…ころちゃん、なんか、180度回転してない?
部屋の端っこに置いてある椅子に腰かけ、みんなを見る。
『今日は…確か、土曜日だったはず。』
学校が休みで、良かった〜。
小さな傷しかないから、月曜日までには治っているだろう。
それから10分ほど待ってみたけれど、起きる気配がない。
私は、久しぶりに、山を走ることにした。
『まずは、軽く30周かな。』
山の周りを走っていると、綺麗な花や、鳥や虫、青い空が目に入ってきた。
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黄緑 - おもちさん 見て下さってありがとうございました!面白いと言って貰えて嬉しいです! (2021年3月5日 19時) (レス) id: efb9a9b0ed (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - よいちゃんさん ありがとうございます!“軽く”30周ですね! (2021年3月5日 19時) (レス) id: efb9a9b0ed (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 涼花さん 見て下さってありがとうございました!更新頑張ります! (2021年3月5日 19時) (レス) id: efb9a9b0ed (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - MIYABIさん コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2021年3月5日 18時) (レス) id: efb9a9b0ed (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - れもんさん 見て下さってありがとうございます!飛び跳ねるほどとは…!嬉しい限りです! (2021年3月5日 18時) (レス) id: efb9a9b0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄緑 | 作成日時:2020年8月26日 19時