君日記（ Ⅰ ） (ページ10)

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そして迎えた午後の準備時間。

ペンキのきつい匂いが廊下中に広がる中、

私は、紫耀くんと

二人きりだった。

絵の具でペタペタ塗ってる君は

どこかあどけなさが残る感じがして

とっても愛らしい。

紫「.....ん？」

やばい見つめすぎた、

ばれちゃった、、

「あ、ううん、なんでも…‥」

そう言いかけたとき

彼の指先が

私の頬を伝う。

紫「どこに塗ってるの笑」

私の心の内側が

どんどん熱くなっていくのがわかる。

すかさずうつむく私の頬を

君の手が覆ったまま

紫「やっぱ、どこかであったことあったよね」

私は視線をそらすことしかできなかった。

彼の体温を奪っていくかのように

私の頬はどんどんあつくなってく....

「紫耀くん…」

君の名前あと何回呼べるかな

ふとそんな思いが

私の頭を高速でかけて行ったりもしたが、

でもやっぱり私は、

君の1番好きな人には

なれないよね、、

でもせめて、

立候補だけさせてください

彩「ただいまー」

廉「ただ今戻りましたー」

彩「一生廉と買い物いかないから笑」

紫「えーでも珍しく

　廉がレジ袋もってるじゃん」

彩「え、違うって！

　教室前でちょっと貸してやーとかいって

　自分が持ってきた風装ってるだけ笑」

紫「次は俺と行くか、」

彩「やだ、ひとりでいく笑」

ほら、思った通り、

また君はあの顔をする。

絶対、

紫耀くん、

彩ちゃんのこと好きじゃん、

私はこんなに紫耀くんが好きなのに、

紫耀くんは私を

これっぽっちも思ってくれてないのかな

だとしたら、

どうして私に優しくするの、？

ドキドキさせてくるの、？

彩ちゃんずるいよ、

彩ちゃんは紫耀くんを好きじゃなくても

紫耀くんは好いてるとしたら、

私、なんのために来たんだろ

私の中でたくさんの感情が

渦を巻いている。