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紫「じゃあ、夜また誘いに行くね、」
「待ってる、」
その言葉と同時に、
紫耀くんのお家についた。
廉「Aー」
「お、廉くん」
廉「え、なになに笑
めっちゃ普通やん、」
「え、普通、？
どゆこと？」
廉「普通に名前呼べるんやって思って」
「前から呼んでだくない？」
廉「まあそうなんやけど、
なんか、なあ、」
ふと見せた寂しい表情を
私は見逃さなかった。
「廉くん、？」
廉「まあなんでもないって！
飲み物なにがいい、？」
「とりあえず、オレンジジュースで」
廉くんのコップを持つ手と
私の手が触れたとき
今までは、
ドキッとしていたのに
しなくなってしまった。
紫「てか彩、遅くねー？」
その一言で私の心は凍りついた。
まだ、彩ちゃんのこと気になるんだ、ね、
そっか、そうだよね、
何舞い上がってたんだろ、
その場で手が止まった私を横目に
廉「俺迎えに行こか？」
紫「じゃー頼むわー
あー、でも俺が…」
廉「ええって、俺が行く」
紫耀くんはきっと
彩ちゃんのこと迎えに行きたかったんだろうな
わかってるよ、
それくらい。
廉「ごめんな、」
「どうして、」
そう言いかけたとき、
もう廉くんの姿はなかった
行かないでほしかった、
なんて言えない、
彩ちゃんのこと大好きなはずなのに、
紫耀くんのことになると、
嫌いになっちゃう、、
そんな自分も嫌だよ、
廉くんのこと追いかけようともした、
紫耀くんのそばに行こうともした、
でも、
私の足は、
まるで鉛がついたみたいに
動かなかった。
その場に座り込み、
全く喉を通らないはずのジュースを片手に
飲んだフリをして、
笑ったフリをして、
君が来るのをどこかでまっていた。
廉「おらんかった」
少し息が上がった廉くん、
すぐに私のもとへかけてきて
廉「ほんまに、ごめんな、」
「だから、どうして謝るの
どうして私なんかに優しくしてくれるの、
廉くん、」
つい大きな声を出してしまった。
私が待っていた君は
廉くんだったかもしれないのに、
本当は来てくれて嬉しかったはずなのに、
なぜか拒否してしまう。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年6月21日 13時
