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○○「シュプ〜♪
ご飯だよ〜♪♪」
コトン、と置かれたご飯の皿をチラッと覗き込んで、俺はその場を立ち去る。
○○「あっ、もぉ〜、ワガママになってぇ。」
俺の飼い主・・・っつーか、
世話させてやってる俺の女。
俺のことが可愛くて仕方ないらしい。
そのくせ、食事だけ妙に厳しいっつーか、うるせーの。
基本カリカリ一択だし、○○の食ってるもんに手を出そうとするとキレる。
キレられて俺が逃げるとヒョイと抱き上げられて、
○○「ずっと一緒にいたいから、人間の食べ物は我慢しよっか。」
・・・って。
俺に顔を擦り付けてくる。
・・・可愛いから、許す。
つか、今の俺はマジでチュールしか食う気ないの。
チュール出すまでここ、どかねーから。
俺は仕事に行く前にアイツが必ず入るトイレに籠城することにした。
ドアはもちろんちゃんと閉めて。
開けた瞬間、俺がいるとなんか・・・喜ぶし。
うとうとしていたら、ドアがガチャ、って開いたから、身構える。
おい、チュール出せ。
あれ?
いつもと違う。
いつも喜んで俺を抱き抱えて、体撫でながら外に出すのに。
ドアの外で固まったまま、動かない。
シュプ「おい。どうした?俺がここにいて困ってんだろ?抱き上げろ。そんで、撫でろよ。早く。」
ま、俺の言葉は通じないけどな。
はぁ、やってらんねーわ。
○○「・・・誰?どうやってここに・・・。け、警察、警察呼ばないと、」
シュプ「誰、って、シュプだっつーの。寝ぼけてんのか?まぁお前最近帰り遅いしな。そういやまた寝言で『ゴリ雄!ばか!』って言ってたぞ。お前またゴリ雄と何かあったのか?」
ゴリ雄は彼氏じゃない。
○○の会社のクソ上司。
コイツには男っ気がない。
モテないらしい。
俺の前では素直で可愛いけどな。
まぁ、いいんだよそれで。
コイツに男ができて、男がこの家に出入りして、俺を汚ねぇ手で撫で回すと思うと身震いして毛が逆立ってくる。
○○「・・・ゴリ雄って・・・シュプにしかその名前で話したことない。嘘でしょ?そんなわけない。私、頭おかしいんだ。夢だ。これ。」
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作者名:クムシラコネルミ | 作成日時:2020年7月10日 0時