2話 ページ2
試しにどれくらい分かるのかと思い、今日出た数学のプリントのうち初歩的な問題10問を解かせることにした。
「…どうやったら全問ミスなんて出来るんだ…?」
「ゴメンナサイ」
うんうん唸りながら長いことプリントとにらめっこしていたと思ったら解き終わったと笑顔で言われた。
プリントを貰い、解答を見てみるとふざけてるのかと思うくらいの解答が並んでいた。
「だ、だって!数学ってなんか眠くなっちゃうし!気づいたらいつも寝ちゃってたんだもん!!」
「だから成績悪いんだろうが!当たり前だけど明日から授業中寝るなよ、分かったな」
「ぎ、疑問符も無いだと…!この、鬼!馬鹿!チビ〜!」
がたりと立ち上がったかと思えば罵って来た。
「ち、チビ…!?馬鹿はお前だろ〜が!お前より身長あるわこのクソガキ!」
思わず俺も立ち上がり、罵声を浴びせる。
「馬鹿は認めるけどガキじゃないもん!生意気!」
「生意気はお前だろ!…って、もう六時じゃねえかよ。言い合いしてたら日が暮れちまう、帰るぞ」
机を元に戻して荷物を片付けると“ 行くぞ ”と促す。
教室を出て、教室の鍵を返すと帰路に着いた。
「委員長、私の家と同じ方向なの?初めて知った!」
能天気にニコニコ笑いながらそう言うコイツ。
「まあ、そんな所だ」
嘘。本当は俺の家はコイツとは反対方向だ。
六時過ぎてるし、こんな時間に女ひとりで帰すわけにはいかない。
「あ、着いた。じゃあ委員長、また明日ね! 」
「ちゃんと家で勉強しとけよ」
「うっ…は、はぁい」
「じゃあな」
左崎が家に入っていこうとするのを確認し俺も帰ろうと歩いた。
…いや、歩こうとした。
「待って!」
「ぐぉっ!?」
腕を掴まれて思いっきり引っ張られてコケそうになった。あぶない。
誰だと思い振り返ると、帰ったはずの左崎だった。
「言いそびれた!えっとね、凄い嫌々だったけど勉強教えてくれることになってくれてありがとう!これからよろしく!」
笑いながら俺にそう告げると“ じゃあね ”と家に帰っていった。
「なんなんだよ…」
腕で顔を隠す。
礼を言われ慣れていない俺の顔は今、多分赤いだろう。
そんな事されたら調子が狂う、やっぱ阿呆だ左崎は。
“ 阿呆女 ”とつぶやくとフッと息をついて俺も帰路へ着いた。
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ピーーーーーーーーーまん(プロフ) - 朱音さん» ありがとうございますうう((これから作成する予定なので、この素敵な作品を少しでも皆様に知れ渡れば、なんて勝手ながら思っております!! (2016年8月29日 22時) (レス) id: 1b566dacb5 (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - ピーーーーーーーーーまんさん» コメントありがとうございます!プレイリストですか!?もちろん大歓迎ですありがとうございます!!!!!!( 歓喜 ) (2016年8月29日 21時) (レス) id: f2027cfe1e (このIDを非表示/違反報告)
ピーーーーーーーーーまん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですー!!左崎ちゃんの言い分(?)が共感しかできない()あの、私のプレイリストでこの作品を紹介してもよろしいでしょうか?断って下さっても構いませんので;; (2016年8月29日 21時) (レス) id: 1b566dacb5 (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - ゆゆさん» あばちゃすともえぴ!!! (2016年8月26日 20時) (レス) id: f2027cfe1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 朱音さん» 死ネタ=最後死ぬやつ← 誰と企画したの? (2016年8月26日 19時) (レス) id: 2b1c9b743f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱音 | 作成日時:2016年8月25日 23時