時雨 ページ20
よく分からない
俺は…何も覚えてない
だって俺は幼少期にイギリスに留学してて…中学生の時に帰ってきて、お父さんの都合で平成高校に転校してきたんだよ、
なのに…どうして【初めての人との写真】があるの?
『初めて、じゃないから』
声がした
バッとそっちを見ると俺がいた
違うのは目の色が違う
俺は黒だけど、目の前にいる俺は緑だった
そしてどうしてだか分からないけど雨が降ってきた
『俺と裕翔は初めましてじゃないんだよ』
「でも、会ったことなんてないよ」
『ううん、あるよ』
記憶を遡ってもない
中学校も元々地区が違うから会うはずなんてない
「俺は…何者なの?」
『【岡本圭人】だよ。
俺の…未来の姿』
手にはあの写真があった
そっと俺をなぞると全てを思い出す
「そう…だね」
中島「圭人…」
裕翔が俺の事を支えてくれていた
「ありがとう、裕翔。
あと、久しぶりだね」
中島「…け…い、と」
裕翔が俺の目を見る
「やっと…会えた」
中島「圭人、思い出したの?」
頷くと家の扉がバンと開けられる
侑李「ホントだって!!
圭人が帰ってきたんだよ!!」
勝利「そんなわけ…」
焦った侑李と半信半疑の勝利、重岡くんにひょっこり着いている智洋が入ってきた
「ただいま、皆」
侑李「えっ…?」
勝利「ただいま?」
中島「圭人…思い出したんだって」
裕翔がそういうと侑李と勝利は崩れ落ちた
智洋「圭人、おかえり!!」
智洋は何事もなかったかのように抱きついてくれる
重岡「なんや…思い出したんか」
「重岡くん、ものすごい怖かったよ」
すると裕翔が俺のことをぎゅっとした
中島「よかった…本当によかった!!」
ものすごく泣いていた
俺もうっすら涙を浮かべる
「ごめんね、忘れてて」
中島「圭人、もう一度だけ言わせて」
…うん、裕翔のその言葉が聞きたい
中島「俺、圭人のことが好きだよ」
「俺もだよ、裕翔」
俺と裕翔はそっと口付けをした
あの時とは違う、両者人間での口付け
裕翔の唇は暖かかった
天気は…雨
俺の象徴の雨だ
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作者名:慧jump | 作者ホームページ:http://wakabassl
作成日時:2020年8月3日 23時