君いる所は雨降る (ページ13)

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秋霖ページ13

『何をしている!!』

叫んでいたら大人が入ってきて部屋の中に引きずり込まれた

「離せ!!」

『くっ、縛れ!!』

重岡「また…死なせるわけにはいかないんや!!」

シゲくんも暴れる

だけど、大人の力に高校生が叶うわけもなくて呆気なく捕まる

そしてさらにキツく縛られた

『余計な真似だけはするなよ。

お前らが黙っていれば事は順調に進むんだ』

大人たちは部屋から出て行く

「…どうしよう」

重岡「ご飯の時は拘束が外れる。

その時を狙って脱出するしかないやろ」

シゲくんの目は本気だ

「まだ叫ぶことはできる。

1日に1回くらいは叫ぼう」

俺たちにできるのは森にいる皆に避難するように伝えることだ

だけど、その考えは筒抜けだった

食事の時には拘束は外れるも部屋の中に大人がいる状態

部屋の外に出ても、最低でも2人つく

叫んだら今度は殴られたりもする

その状態が軽く3日続いた

重岡「キツ…」

「もう…帰りたい…」

軟禁状態で娯楽もない

スマホもとっくに充電が切れている

何もすることがなくてぼぉっとしていると大きな物音と共に外が明るくなった

何事かと思って見てみると森が燃えていたのだ

「う…そ」

重岡「松島…ホンマにやったんか!?」

急いで圭人の元に駆け寄りたい

手を必死に動かして縄を取ろうとするけど取れない

窓に体当たりすると簡単に割れた

俺はそこから飛び降りようとする

重岡「アカン!!

裕翔くん!!」

シゲくんが止める

「離して!!

圭人たちが…!!」

重岡「それで死んだら元も子もない!!」

どうすればいいの？

このまま指をくわえて見てろって言うの？

「まだ…圭人に気持ちを伝えてない!!」

重岡「裕翔くん…」

「圭人に好きだって言ってない!!

このままじゃ…何も良くない!!」

シゲくんの力が弱まる

「シゲくん、智洋に伝えないの？」

重岡「何を…」

「今でも好きだっていう気持ち。

智洋は気にしてると思う、人間じゃない自分と人間であるシゲくん。

張り合うのかって？」

重岡「そんなの…」

するとガチャりと扉が開いた

誰かが入って来たのかと構える