君いる所は雨降る (ページ11)

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秋霖ページ11

あの夜からシゲくんとの距離が縮まった

部活がない放課後は一緒に森に行ってたくさんの話をする

侑李も勝利も最初はあまり話さなかったけど、次第に話すようになってった

慧は気まぐれだからひょっこりと顔を出す

そんな生活を繰り返して1ヶ月が経った頃…

圭人「またね‼」

「じゃぁね」

智洋「シゲもまた来てな」

重岡「もちろん」

勝利「…お菓子」

侑李「勝利もお菓子持ってきてくれたらいいよだって」

慧「にゃは。

懐かれちゃって」

今日も元気に圭人たちに見送ってもらったあと、シゲくんと帰っていたら誰かが前に立った

重岡「…松島？」

それはクラスメイトの聡くんだった

だけど、服装が神主

そして俺たちを睨みつけていた

松島「…前、言ったよね。

妖怪はこの世に存在すべき人間じゃないって」

そんなこと、言ってた

「けど、それがどうしたの？」

松島「2人が出入りする森は妖怪が住んでると言われている。

そして君たちが…妖怪と仲良くしているということも報告されている。

妖怪と仲良くするなんてあっちゃいけないことだ」

聡くんが…怖い

シゲくんもそう思ったのか逃げ出そうとしている

松島「そこでさ、悪いんだけど」

しばらくの間、拘束させてもらうよ

聡くんのセリフが聞こえると首に強い衝撃が加わった

俺は思いっきり飛ばされる

痛みと一緒に意識が飛んでいきそうだ

重岡「松島‼

お前は…そういう奴やったんか？」

松島「そういう奴…ね。

そういうシゲたちもそういう奴だったんだね」

よくわからなくなって…悔しくなって…そのまま意識を飛ばした

重岡「…翔くん、裕翔くん‼」

「シゲ、くん」

目を開けるとシゲくんの焦った顔が写った

そっと立とうとするけどうまく立てない

何事かと思っていると、手が後ろに縛られていた

「えっ…何…これ？」

シゲくんも手を後ろで縛られていて近くに座り込んでいる

重岡「松島…格闘技の心得でもあるんか。

全然、歯がたたんかった」

その時、ガチャっと扉が開いた