時雨 ページ18
あの日から1年が経った
シゲくんは変わらず智洋に会いに行っているらしい
侑李と勝利も元気だと俺に教えてくれる
だけど、変わったことが2つあるらしい
1つは俺が森に行かなくなったこと
もう1つは…慧がどこかに行ってしまったこと
あの日を境にパタリと姿を消したらしい
まぁ、化け猫だからどこかですやすや寝てるのでは無いのかと思う
そして学校にも変化があった
聡くんが…来なくなった
担任の先生は体調不良だって言ってるけど1年も体調不良はおかしい
乗り込んでみたけど、神社にもいないとのこと
…家出だとのこと
携帯も置いていって、居場所も伝えないで突然出て行った
シゲくんはしばこうと思ってたけどしばけなくなったことをイライラしていた
重岡「松島の奴、逃げたんやろうな。
目的である妖怪退治が出来んかったから」
山田「心配だな…」
高木「…重岡って関西弁だっけ?」
重岡「あ、あぁ。
もう自然にいるわ」
俺はそっと窓の外を見た
大雨が降っていた
いつもなら乗り気になるけど、この雨は圭人の雨じゃないから全然嬉しくない
外を見ていると担任が入ってきた
そして転校生が来ていると伝えられる
転校生が教室に入ってきたけど、興味が湧かないから机に伏せていた
「初めまして、『岡本圭人』です」
岡本…圭人!?
急いで顔をあげると、そこには圭人がいた
瞳の色は黒だけど、他は何も変わらない圭人が…
シゲくんも驚いた顔で圭人を見ている
休憩時間、たくさんの人が圭人に話しかけに行った
山田「岡本くんも妖怪信じてるんだって!!」
高木「山田は飽きねぇな…」
俺は話す勇気がなくて遠くから見ているとシゲくんがツカツカと近づいて、机を思いっきり叩いた
全員がビックリする
岡本「ど、どうしたの?」
重岡「どうしたのないやろ。
何も覚えてないんか?」
圭人は目をぱちくりさせる
岡本「な、何も覚えてないって…俺とは【初対面】でしょ?」
重岡「…そうか」
シゲくんは俺に目配せをさせた
何も…覚えてないのか
ちょっと悲しいや
今度はシゲくんが俺のところに来る
重岡「放課後、あの森に圭人連れて来」
「でも…」
重岡「裕翔くんが諦めちゃアカンやろ!!」
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作者名:慧jump | 作者ホームページ:http://wakabassl
作成日時:2020年8月3日 23時