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しゃこしゃこと二人分の歯ブラシの音が聞こえてきて、嬉しくなる。
まーくんは目を半分瞑っていて、明らかにおねむだ。
先に部屋に帰そう。
彼の磨き終わるのを見届けてから、私も歯磨きを終えた。
・
寝室に入ると、まーくんがベッドに突っ伏している。
「風邪引くよ〜。」
彼の身体を転がし、下から布団を引っぱり出してから、しっかり被るのを確認する。
よし、これで大丈夫。
「おやすみ…」
「おやすみ。」
まーくん、ありがとう。
今日も一日お疲れ様。
いつもみたいに、お布団の中でくっつきながら二人で眠った。
・
・
・
ん…
なんだか口が…
キスされているからだと分かるまでに、しばらく時間がかかる。
「ん……」
まーくん？
唇が離れたと思ったら、またすぐに塞がれていつもと少し違う感じに気付く。
まだ寝起きだけど…///
それから何度もキスをされて、私は目が覚めてしまった。
「おはよ。」
ふわっと笑ったまーくんは私のほっぺにキスをして、そのまま耳元と首筋にも唇が降りていく。
「あ……やっ…まーくん……」
パジャマの下から彼の手が滑り込んで、腰の位置から撫でられた。
そして胸のところまで…
「…待って。」
「ん？」
「時間を確認してもいい？」
「いいよ。」
まーくんの手がいったん離れて、ベッドサイドに置いていた腕時計で時間を確認する。
「確認した？」
「した。」
「大丈夫だよ。」
寝起きのふわふわな彼に耳元でこんな風に言われると、全然大丈夫じゃない。
私が頷くのと同時に長い腕に抱き寄せられて、今度は優しくパジャマを脱がされる。
・
何度も彼の名前を呼ぶ。
目を合わせてくれると、きゅっと細めて
「A」
私の名前も呼んでくれた。
それだけで、胸の奥がぎゅっとなるのが分かる。
まーくん…
彼の首の後ろにそっと腕を回し、求めるように抱きついた。
・
・
まーくんの腕の中、よしよしと頭を撫でられる。
そのまま髪に指を通されて、するすると梳かれていく。
…眠っている私に、あんな風に目が覚めるまでキスをするなんて。
まるで、王子様のキス。
そう気付くと顔が熱くなり、おでこをまーくんの胸にくっつける。
「ずるい。」
「ん？」
指が止まり、そっと抱き寄せられられた。
「寝起きにこんな風に…///」
「あぁ、起きたら隣にAいたから。可愛くてチューしちゃった。」
てへっと笑うまーくんも可愛い。
こういう所にきゅんとしてしまう。
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作者名：おちょう | 作成日時：2019年7月20日 18時
