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「まーくん…？」
何となく気になって後ろを振り返ると、
思ったよりも近くに彼の顔があった。
あ…
まるでそうされるのを待っていたみたいに、目を伏せた。
静かに唇が重なる。
「何かあった？」
「今日、チューしてない。」
確かに。
「ただいま」の後、すぐお家に上がって…
そう思っていると、再び重なる。
それを受け止めている時間はちょっとのはずなのに、長く感じた。
「…眠い？」
「少し。」
まーくんは、お風呂に入る前よりもとろんとした目をしている。
やっぱり、もう眠いよね。
「でも、Aとくっついてたい。」
いつもより確実に甘い声で言われて、
長い腕に包まれた。
甘い…///
クリスマスが近づくと忙しくなる私は、毎年のこの時期はまーくんと会えなくて…
「仕事だから仕方ないよね。」
と思って自分を納得させていたけれど、
どこかで寂しく感じていたのかもしれない。
ふぅと息を吐いてゆっくりしているまーくんの腕に、私の手を重ねる。
「まーくん」
「…ん？」
結構眠くなっているから、今日はちゃんと休まないと。
だから…
「背中を流してもいい？」
思い切って、彼に聞いてみた。
「背中？いいよ。」
即答とともにふふっと笑い、今度は耳にキスをされる。
まーくんが珍しくふわふわしてる。
可愛い。
きっと、眠いからだね。
二人でしばらく湯船に浸かって、先に彼が上がっていく。
まーくんは頭を洗って、次に身体を洗う。
大きな手で髪を洗っていると、男の人だなぁと思う。
「あんまり見られると照れちゃうな。」
「えっ///」
私もえへへっと照れ笑いを返す。
一緒にいることが久しぶりだから、つい見てしまう。
彼は髪を洗い流して、身体を洗うタオルを手に取った。
「ちょっと待ってて。先に他のとこ洗って、最後に背中ね。」
まーくんのCMしているボディーソープが、こちらまで香ってくる。
腕、肩、首、胸…
と、洗っていくのを私はやっぱり見てしまって、急にドキドキしてきた。
彼の持つ雰囲気が柔らかいから気付きにくいけれど、まーくんはちゃんと男の人だし、
凄くかっこいい。
思わず、バスタブの水面に視線を落とす。
「A。背中、いいよ。」
「うん/// ありがとう。」
彼に話しかけられて、ドキドキしたままタオルを受け取った。
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作者名：おちょう | 作成日時：2019年7月20日 18時
