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「ねっ、マフラーしてみない？」
「うん///」
それぞれ、包んでいるビニールからそっと出して手に取る。
赤いマフラーはサラサラ、ふわふわしていてとても綺麗。
「こんな感じかな。」
首に巻いて、端っこを通して…
いつもの巻き方をしてみる。
「あっ、いい！似合ってる。」
「まーくんも。」
二人ともマフラーを巻いている。
似合っているって。
明日、早速巻いていこう。
「ありがとう。明日から使うね。」
「オレも。」
「まーくん、明日外に出るの？」
「マフラーしたいから出る！」
「そうなの？」
可愛い理由に思わず笑ってしまう。
喜んでもらえて、良かった。
「A」
ほっこりしていると、まーくんに抱きしめられる。
「ありがとう。」
ぎゅっとされているのが、温かくて凄く嬉しい。
答えるように、彼の背中に手を回した。
・
しばらくそうしていると、
不意に頭の後ろをぽんぽんされる。
「A、一緒にお風呂入ろ。」
「いいの？」
「いいよ。なんで聞くの？」
「まーくん、一人の方がゆっくり入れるかなと思って。」
今日はステージで頑張ってきたから、明日は貴重なお休みのはず。
私と二人だと、疲れが取れないんじゃないかな。
「Aとゆっくりしたい。」
大きな声ではなく、耳元でこそっと言われてくすぐったい。
まーくんと一緒にいられる時間は貴重。
私も、明日はお昼前に出て行くから。
「お風呂の準備する。」
「うん。」
「マフラー着けたまんまだったね。」
と、お互いに笑いつつ身体を離した。
・
お風呂の準備をして、私は先に入らせてもらう。
まーくんとお風呂入るの、
何気に久しぶりかも///
今までも入ったことはあるけど…
「お待たせ☆」
「う、うん///」
お風呂の戸が勢いよく開いて、まーくんが入ってくる。
はぁ…ドキドキする…///
せっかく一緒に入ろうって言われたのに、
全く落ち着いていない。
私は湯船に彼の入るスペースを作って、
そのまま水面を見つめた。
「A」
お湯にそっと浸かったまーくんに後ろから支えられ、優しく名前を呼ばれる。
「一緒にお湯に浸かるの、久しぶりだね。」
落ち着いた声が私の耳元で響いて、ゆっくりと頷いた。
「……」
あれ？
いつもなら「いいお湯だね。」なんて言って話しかけてくるのに、今日は静か。
その代わり、そっと抱き寄せられて、
こめかみにキスをされる。
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作者名：おちょう | 作成日時：2019年7月20日 18時
