君の隣で眠らせて～Scene.Masaki.A.～番外編 (ページ10)

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１０．ダブルガード～雅紀～ページ10

Aとオレは指を絡めたまま、ベッドの中でじっと見つめ合う。

「ふふ、どんなキスを想像してるんだろ。」
「まーくんだって…！いつも…///」
「いつも、何？」

A。
「風邪が治ってからキスしてもいい」なんて、オレ以外に言っちゃダメだよ？

「…キスだけじゃないし///」
「ん？そうだよ。キスだけじゃ足りないし。」

クスッと笑い、もう一度おでこの冷えピタをなぞった。

「しかも今は、キスしたくてもおでこはコイツに塞がれてて、口はコイツにガードされてる。」
「うん///」

冷えピタとマスクのこと。
風邪だから仕方ないんだけど、とってももどかしい。

オレとAの邪魔をしないで欲しい。

「じゃ、ここかな。」

マスクを押さえてる指で、Aの顔をこちらに引き寄せる。

今日、唯一キスの出来そうなところ。
オレがそっと唇を押し当てたのは、彼女の瞼だった。

・

「まーくん、おやすみ。」
「うん。おやすみ。」

キスをしてから、また背中をなでなでしていると、しばらくして微かに寝息が聞こえてきた。

良かった。
薬を飲んで眠れば、大丈夫だよね。

Aはオレの肩と胸の間のとこに顔を埋めて、ぴったりと身体をくっつけて寝ている。

オレと一緒に寝る時は、いつもこうなんだ。

会える時間が限られているから、寝ている時も離れたくなくて。

って、オレの部屋で寝る時に二人で話をした。

「寝苦しかったら、無理しなくていいからね。」
「うん。やってみる。」

と、Aも同意してくれて。
自分のベストポジションを見つけ出してからは、ずっとくっついたまま朝までぐっすり眠っている。

しかもね、手をオレの胸とか腰にきゅっと添えてくっついて寝てるの。
ちょー可愛い。
コアラの赤ちゃんみたい。

って、ノロケちゃう。

付き合ってから2年経ったけれど、ケンカはなくて、会う時はいつも楽しい。
最近は、穏やかな時間も多いかな。

Aはオレが嵐として忙しくしていても、それを嫌がったことはない。

仕事で、普通の男の人より会えないこともある。

だけど、Aはいつも笑顔で「お疲れ様」って言ってくれる。

オレにとって嵐がどれだけ大事なのか、ちゃんと察してくれてるからだと思う。

だから、さっきも「オレの実家に来て」って自然に言えた気がする。

オレは、これからもAと一緒にいたい。
大事にしたいんだ。

彼女の温もりを感じながら、柔らかく上下する背中をポンポンした。