８．さりげないプレッシャー。〜貴女〜 ページ32
「まーくん、ごめん…暑いよね。」
「ん？冷房効いてるから大丈夫だよ。」
口ではこう言いつつ、オレにくっついたままで甘えてくる。
言葉と行動が裏腹なんだけど(笑)
A、少しお疲れ様だね。
伝わってくるものがあり、そのまま甘えさせる。
付き合って最初の頃はね、なかなか言ってくれなかった。
オレもAに言えてない大事なことがあったから、初めて家に来てもらった時に正直に話したんだ。
そこからかな。
Aも自分の気持ちを話してくれて、少しずつオレに甘えてくれるようになったのは。
Side: A
最近、ちょっとだけ仕事が忙しい。
もうすぐあるスペシャル番組の打ち合わせや準備があることは、前から分かっていたけれど。
「まーくん、ごめん…暑いよね。」
「ん？冷房効いてるから大丈夫だよ。」
二人で一緒にいる時、ふと、まーくんにくっつきたくなって、抱きついてから暑さに気付く。
まーくんは優しく答えてくれて、離れたくなくてくっついていた。
何も言わずに、そのままでいてくれてる。
はぁ。
仕事…いつもの放送とは違うから、少しだけ緊張する。
何気なくざわつく気持ちを持て余していると、まーくんの腕が回ってきて身体を抱き寄せられた。
「よしよし。偉いね。」
「…まーくんと比べたら全然だよ。」
「どうして比べるの？」
「えっ」
「Aのいま頑張っていることは、人と比べられるものなの？オレはAの一生懸命やっている姿を見ているから、それを応援しているよ。」
まーくん…
私のこと、そんな風に思ってくれてたんだ。
見ていてくれたんだ。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
彼の腕に抱き寄せられて、私もぎゅっと抱き着く。
「A、頑張ってるもん。
大丈夫だよ。上手くいく。」
そのまま頭を撫でられ、さらに励まされた。
不思議。
まーくんが「大丈夫」と言うだけで、
何故こんなにも大丈夫な気がするんだろう。
先ほどまでのざわざわした気持ちは消えており、私の心は温かくなっていた。
まーくん、ありがとう。
□
私の初めての仕事、夏の終わりのスペシャル番組は無事に放送の日を迎えた。
「明日、蕪木さんに録音してもらうことにした☆」
と前日に彼から連絡が来て、思わず顔が綻んだ。
よし。
絶対大丈夫。
自分でそう確信出来るまで準備を重ねて、
生放送に臨んだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
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X
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西 - この方角に福があるはずです
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作者名：おちょう | 作成日時：2017年10月10日 22時
