７．理解ある蕪木さん〜雅紀〜 ページ31
「夏から秋にかけて、かな。」
「分かった。プライベートの旅行ね。」
「そう。佐倉さんのおばあちゃんに会いに行くの。」
「おばあちゃん？石川県にいらっしゃるの？」
「うん。母方のおばあちゃん。」
スケジュールの調整をしてくれている蕪木さんには、きちんと話した方がいいよね。
「なるほど、分かったわ。確認して相葉くんに連絡する。」
「ありがとう！！」
やった！
蕪木さん、分かってくれた！
蕪木さんはね。
嵐のマネージャーを長くやってくれていて、色々と話しやすくて頼りにしてる。
年齢はリーダーと同じなんだ。
「嬉しそうね。」
「ご両親に続いて、おばあちゃんにも会えるから。家族にきちんとご挨拶出来てるし。」
思わず笑みが溢れる。
もちろん、これから本当にAと家族になれるといいな。
「順調そうで何よりです。」
「ふふ、おかげさまで。」
蕪木さんも口元が笑っている。
そうそう。
Aの存在をオレに最初に教えてくれたのは、蕪木さんだからね。
忙しい時もAと会えるように取り計らってくれたりしていて、本当に感謝している。
「詳しい日にちが決まったら、教えてね。
新幹線の切符を手配するわ。」
「え、いいの？」
「佐倉さんと一緒に移動するんでしょ？
二人が良い感じに座っていける席を確保する。」
「ありがとう！！お願いします。」
本当に？！
超頼りになる。
「楽しみがあると頑張れる。」
「佐倉さんマジックの効果ね。」
あっ、冷やかさないでよ〜。
なんて、朝からちょっと浮かれてしまう。
よし。今日も頑張ろう☆
□
そこからの時間は意外と早く過ぎ、めっちゃ暑い夏が来た。
蕪木さんに確認してもらったスケジュールでは、今のところ秋のお祭りには行ける予定になっている。
「時間を空けるだけ空けられたわ。」
彼女はこう言って笑った。
当日、オレは朝からの仕事の後、午後には新幹線に乗れる予定になっていた。
お昼の新幹線は、比較的人が少ないかららしい。
Aと一緒に座っていけるよう、席は隣同士だった。
「蕪木さんには足を向けて寝られないね。」
って、二人で話していた。
Aはいつもの仕事に加えて、スペシャル番組の準備も同時に進めているらしく、普段よりちょっと忙しいのかな？
聞いてみるとそうらしくて、部屋でオレと一緒にいる時には引っついてくることが増えた。
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作者名：おちょう | 作成日時：2017年10月10日 22時
