君の隣で眠らせて～Scene.Masaki.A.～番外編 (ページ3)

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３．彼の来訪。～貴女～ページ3

まーくん、大丈夫かなぁ。

確かに、彼の送れる時はいつも私の最寄り駅まで送ってもらってる。
もちろん、その時はお礼も言っている。

『オレ、今からAん家に行く。』

まさか、本当に家まで来てくれるなんて。
私も本心は、まーくんに会いたかった。

今日は、そのために予定を空けてたから。

マスクは絶対外さないようにして、風邪をうつさないようにしよう。

それと。
お父さんとお母さんが帰宅する前にまーくんを家から送り出せば、大丈夫かな。

両親は、私に彼氏がいることは知っている。
だけど、まーくんだとは知らない。

もし彼を家族に紹介するのなら、それは今日じゃない。

そういう事を考えつつ。
彼に会えるのは、やっぱり嬉しい。

私は部屋でお布団にくるまりながら、まーくんの到着を待つ。

□

ピコン♪

『お待たせ！着いたよ～。』

LINEの通知をオンにしていたから、まーくんの到着はすぐにお知らせされた。

寒くないよう上着を羽織り、すぐに部屋を出る。

階段を下り、靴を履いて玄関の扉を開けた。

・

「ひゃ～！もう、可愛いなぁ☆」
「わんっ！」

…あ。
そうか、家の玄関先には家族である犬のマサルさんがいる。

ちなみに、「マサルさん」は私とお兄ちゃんが好きな漫画の主人公の名前をつけたんだ。

まーくんは、マサルさんに手をペロペロされていた。
さらに、そこからモフモフと首の周りを撫でている。

「あっ、A！」
「いらっしゃい。」

好きなペット(可愛い)と好きな彼氏(可愛い)が目の前でコラボしていて、私はいきなり熱が上がりそうだよ。

「待たせてごめんね。」
「ううん、大丈…」

大丈夫、と言いかけて咳き込んでしまう。

「無理しなくていいよ。あったかくして休もう？」
「うん。ありがと。マサルさんも、ありがと。」

くんくんと鼻を鳴らすマサルさんを撫でてから、まーくんと一緒に家に入った。

・

「お邪魔します。」

彼はちゃんと挨拶をして、玄関を上がる。
手には、スーパーの袋を提げていた。

「これ」
と、私の方に少し掲げながら

「お腹すいてる？おかゆ作ろうと思って。」

いつもみたいに、爽やかに笑ってくれた。

「おかゆ、出来るかな。冷凍庫にごはんが入ってるけど…」

言葉に詰まる。
私の家は、一人分のごはんをラップにくるんで冷凍してる。

新たにお米を炊くのは、勝手に出来ないかもしれない。