１３．母と会う。〜貴女〜 ページ13
「大丈夫…？」
「大丈夫☆Aのお母さんだからね。」
まーくんが言うと何となく大丈夫な気がしてきて、私も身支度を整える。
家族に挨拶するってことは…
一番近しい人たちに認めてもらうということで。
そのことを、マネージャーの蕪木さんに言ったりしなくて良いのかな。
「A。何か気になってる？」
「まーくんとのお付き合いを誰かに認めてもらうのは、初めてだなーっと思って。」
アハッと照れ隠しに笑う。
「そうだね。」
「突然で、良いのかなって。蕪木さんに言ったりしなくて良いの？」
「もう知ってる。」
「え？」
「オレが真面目にAと付き合ってることを知っているから。」
思わず、まーくんの顔を見る。
「ちゃんとご挨拶したいと思ってたけど、なかなか機会がなかった。だから、大丈夫だよ。」
見上げる私の頭をポンポンと撫でられて、彼と目が合った。
どうしよう。
今、とても嬉しい。
「ありがとう/// そんな風に言われるなんて、思ってなかった。」
「寧ろ遅いくらいだよね。待たせた。」
少し目を細めたまーくんが頼もしく見える。
□
二人で部屋を出て、トントンと階段を降りる。
キッチンを覗くと、日暮れ時に台所に立つ母が見えた。
「お母さん、おかえり。」
「あ、A。ただいま。」
母はまな板の上の野菜を切っているので、そこから目を離さずに返事をする。
「風邪はどう？」
「熱は下がった。」
「良かった。誰かお客さん来てるの？見慣れない靴があったけど…」
「うん、実は」
まーくんをそっとキッチンに呼んだ。
まだ気付かれていない。
「お邪魔しています。」
「はい。…え？」
母はいったん手を止めて、部屋に入ってきたまーくんの方を見た。
「え？」と言ったっきり、目を丸くしている。
「…え？相葉くん？？…相葉くん？！」
「はい、相葉雅紀です。」
まーくんがぺこっとお辞儀をした。
母が、彼と私を交互に見比べる。
「もしかして、Aの彼氏…？」
この状況を見て、今度は私の方を見て言う。
「今までずっと秘密にしててごめんね。私のお付き合いしている方は、相葉雅紀くんです。」
「突然お邪魔して、すみません。」
二人で説明しようとする。
お母さんは、落ち着いて受け止めてくれるだろうか。
「そう。相葉さんだったのね。」
「はい。」
「初めまして。Aの母です。」
私が返事をすると、母もまーくんにお辞儀をして挨拶した。
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作者名：おちょう | 作成日時：2017年10月10日 22時
